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【シュタイコ採用】自力建設を見学/岐阜県立森林文化アカデミー

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    シュタイコ

岐阜県立森林文化アカデミーを訪問しました

イケダコーポレーション主催で5月に開催されたビッグセミナー2024、また8月名古屋と 9月東北でのセミナーでも「断熱」をテーマに講師で登壇いただいた岐阜県立森林文化アカデミーの辻充孝教授。「森と木に関わるスペシャリスト」を育成するこの専門学校で、2001年の設立から携わり木造建築の普及とともに温熱環境やエネルギー消費なども研究されています。

アカデミーの敷地内には学生の手掛けた「自力建設」や、令和2年度木材利用優良施設コンクール林野庁長官賞ほか多数受賞のmorinos(モリノス)など、木造好きなら見て回るには1日では足りないほどの様々な建築が至るところにあります。少々遡って7月末の梅雨明け、現地へ伺いそれらの建築を一部見学させていただきましたのでご紹介させていただきます。

 

 

自力建設【丁稚基地】

岐阜県立森林文化アカデミーの特徴的なカリキュラムである「自力建設プロジェクト」。学生が自ら設計・施工して、学内に小さな木造建築物をつくるこのプロジェクトの中で、イケダコーポレーション取り扱いの製品も何度かご使用いただいております。

2022年の自力建設【丁稚基地】では、屋根断熱に木繊維断熱材シュタイコ、内外装にスイス漆喰をご使用いただきました。施工の様子などは以前に弊社コラムでもご紹介させていただきました。またプロジェクトの企画から完成までの様子をまとめた学生さんのコラムもございますのでぜひご覧ください。今回はその丁稚基地にて「夏のシュタイコ」を体感しよう!ということでお邪魔させていただきました。

 

丁稚基地に向う前にアカデミーについてや辻教授のお話を伺うため、まずは【みどりのアトリエ】にご案内いただきました。こちらは2020年の自力建設で、2008年自力建設【ほたるの川床】の改修にて「アイデアが生まれる空間」としてリラックスしながら学生同士の意見交換ができるスペースや1人で集中できる個室などを備えた施設に生まれ変わりました。床断熱にはシュタイコフレックスを40mmの厚さで入れていただいています。岐阜は冬の積雪も多いため底冷え対策も大切です。

 

様々なお話を伺っている間に、まさかの雨です。  雨に濡れた木造は独特の趣があって筆者は好きですが、できればこの日だけは降らずに1日カンカン照りの夏日であって欲しかった・・・とはいえ自然には抗えませんので、なかなかに激しい雷雨の合間を見ながら移動です。途中にも【おうらいの茶の間】など歴代の自力建設があちらこちらにあります。

 

こちらは最新2023年自力建設の階段【ほとりの櫓】。上下階や棟の移動が格段に改善されたとのこと。

備え付けられたオシャレなライトまで全て学生さんの手作りです。

 

いよいよ本命の丁稚基地です!

2007年自力建設【地空楼】を増改築し木造建築倉庫にしました。天井にはシュタイコduodryスイス漆喰も内壁と外壁に使用いただいています。

 

雨ですね!見事なまでの土砂降りです。

予定では暑い日差しの下から屋内に入り「天井からの熱や中の湿度が違いますね!シュタイコによる断熱効果やスイス漆喰の調湿効果でしょうか」となるはずでしたが、アカデミーに到着した際は「これぞ夏日」だった暑さからの急激な雷雨で外気温が一気に下がったため、扉を開けた瞬間にムワッとした熱気が・・・

壁・屋根にしっかり断熱と気密が取れている家ならばもちろんこうした天気の変化でも室内の快適性は保たれますが、あくまで工具倉庫のためそこまでは設計に組まれておらず、これは不可避です・・・

 

電動工具も置くため、室内が高温になるとバッテリーなどが傷みやすいので温度変化を緩和させるために比熱容量の大きいシュタイコを使ってみていただいたとのこと。今回はイレギュラーな天気の変化で外の方が涼しいという体感になってしまいましたが、日頃使っている中で真夏でも入った時に不快な暑さは感じにくく、シュタイコの比熱容量が効いているのだろうとの辻教授からのコメントでした。また施工時の様子について、初めて建築に携わる学生さんも多い中、木材の加工は断熱施工に至るまでの間に柱や梁などで丸のこなど使用してきているため、シュタイコの加工も違和感なく木材として扱われていたそうです。

 

さて、シュタイコらしさを体験することは叶いませんでしたが、やはり屋根の断熱は重要だと分かる一コマをご紹介します。

こちらは丁稚基地内の天井をサーモカメラで写した様子です。手前の白い天井がシュタイコduodry 60mmにスイス漆喰を塗装したもの、奥は元々あった時空楼部分で断熱は入っておりません。直前までかなりの日射があったため、屋根の温度差が一目瞭然です!先程の辻教授のコメントにもあったように、シュタイコのような比熱容量の大きい断熱材は日射の熱が貫通するまで時間がかかるため、室内の温度上昇を緩和することができます。

実際に中に入る時は外気温が涼しくなりすぎたので「暑い」と感じましたが、いざ入ってしまえば壁や機材が熱を持っているような暑さは気になりませんでした。このように天井の一部にしっかりした性能の断熱材を入れるだけでも、求める室内の温熱環境を整えることが可能です。

 

 

現在プロジェクト進行中の自力建設2024【栞】についても少しお話を伺いました。

この丁稚基地の前のスペースに木材乾燥庫を建設予定とのこと。自然の力を利用して適切な湿度や温度にするため、実験をしながら材料の選定が行われているところでした。

こちらの進捗もアカデミーホームページにて随時更新されておりますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください!

 

 

森林総合教育センター morinos ~モリノス~

2020年に完成し、木材利用優良施設コンクールやウッドデザイン賞など数多く受賞したmorinos(モリノス)も見学させていただきました。

 

『すべての人と森をつなぎ、森と暮らす楽しさと森林文化の豊かさを次世代に伝えていく「森の入り口」森林総合教育センター』

「学ぶ」ではなく「感じる」、「部分」ではなく「全体」を、などといったことを大切に子供から大人まで自然と触れ合いながら自由に楽しむことができる施設です。自分の責任で自由に、失敗する権利を守ろうという決まりごともとても素敵ですね。(これが当たり前になることが現代日本人に必要なことに思います)

 

どろんこになって遊べる広場(雷のためみなさん避難していますが、普段は多くの子供たちが遊んでいます)、館内にも自然について感じられる展示や工夫がたくさんありました。

こちらは私どもが訪問する数日前、秋篠宮皇嗣妃殿下 紀子さまがmorinosの御視察に来られたため、それに合わせて「石の凹凸で足を挫かれないように」と作られた橋だそうです。なんでもすぐに作ってしまう木のスペシャリストの皆さま、さすがです。

 

 

 

 

 


 

22歳以上が対象の「森と木のクリエイター科」を受講する生徒さんは、大学で建築を学んだり就職で建築業界に携わったりといった方よりも、IT関係やウエディングプランナーなど全く違う業種から来られる方が多いそうです。様々な経験と視点を持った方が集まるからこそ、教員側も新しい刺激を受けることが多いと辻教授は仰っておられました。

卒業生は工務店への就職したり自身で事務所を立ち上げたりしながら、たくさんの方がご活躍されてれます。

脱炭素に向けて地域の木材をどのように活用していくか、今回の雷雨も含め年々勢力を増す台風や夏の暑さなどの気候問題に対して何をすべきか。そうしたことはやはりビルに囲まれた環境でパソコンやスマートフォンとばかり睨み合うのではなく、実際に自然のある場所でその豊かさを肌で感じることが大切であるとあらためて実感しました。

現在はまだ「貴重」な学びの場である岐阜県立森林文化アカデミー。このような施設や取り組みが日本各地で誰にでも身近なものになり、日本の自然から世界の環境へより多くの方が自ら行動を起こしていけるようになって欲しいです。そうした選択の先に、自然素材の家づくりに欠かせない存在としてイケダコーポレーションの製品が在れるよう、今後もさまざまな場所に赴き情報をお届けしたいと思います。

 

マーケティング部 沖本


 

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