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樹種別のオイルの選び方&塗り方(基本・内装編)

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    オイル塗装

    自然塗料

木は、伐採後も生きているといわれます。

木は金属などと違い素材自体に水分を含んでおり、伐採後も温度や湿度の変化で膨張と収縮を行う素材だからです。樹種も多く、同じ樹種でも生育場所によって木目や吸い込みが異なるため、塗料の種類や塗装方法には素材の特徴を知る必要があります。

今回は家づくりによく使われる木の塗装をテーマに、オイルの基本的な選び方&塗り方を紹介します。

1. オイル塗装とウレタン塗装の違い
2. 樹種によるオイル塗装の使い分け
3. オイルの基本の塗り方(内装)
4. 塗装後の寿命やメンテナンスコストについて

1. オイル塗装とウレタン塗装の違い

木を塗装する目的は、木を保護して木目などの美しさを永く楽しむためです。
木の塗装には、塗膜そのもので防水・防汚を行うウレタンやアクリルなどの造膜型塗料か、天然樹脂を木に浸透させることで保護を行うオイル塗装の様な含浸塗料のどちらかが用いられます。

(詳しくはこちらのページ→自然塗料の種類

ウレタン塗装のほとんどは、色々な低分子のモノマー(単量体)を化学反応させ高分子化し、塗膜の防水・防汚機能を高めることで木を保護します。ウレタン塗装は塗膜で木を完全に覆うことで木の収縮も抑えますが、塗膜に傷が入ることで水分が侵入し腐食や木の寸法が狂うなどの不具合が生じると早急な補修が必要になります。

ウレタン腐れ

対して、オイル塗装は塗膜が薄いため表面の堅牢性はウレタン塗装より劣りますが、調湿性や木目の表情など木の特性を活かした仕上がりが特長です。例えば、リボス自然健康塗料のオイル塗装は、高分子の亜麻仁油が木の導管に深く浸透し硬化密着するため、内面から木を強くするだけでなく水分子の集合体である水の侵入を防ぐはたらきがあります。

ウレタン割れ

木は熱伝導率が低く断熱性能が高い高い素材のため、ウレタン塗装とオイル塗装の違いは家の体感温度の違いにもつながります。近年の家づくりでは健康や省エネの観点から断熱や気密性能が高められていますが、エアコンによる暖房効率を高めても冬場の足下の寒さが解消されないケースがあります。

複合フローリングや合成樹脂の塗膜で覆われているフローリングは触れると体温が奪われ、呼吸性があり木の温かみを残したオイル塗装の無垢フローリングに比べて寒さを感じやすいのです。

高気密高断熱の家では冬場の足下の寒さの他に室内乾燥も悩みのひとつですが、木の調湿性を妨げないオイル塗装であれば、木に蓄えた水分を乾燥時に放湿します。そして、湿度の高い際には木が吸湿するので結露やカビの防止にもなり、年間を通じて快適な室内環境づくりに適しています。

2. 樹種によるオイル塗装の使い分け

木は同じ木材でも部位や切り口によって素地の色・木目・吸い込み具合は異なリますが、ここでは家づくり(内装)によく使われる樹種の塗装のポイントを紹介します。

 

樹種による塗装方法の違いを説明する際によく用いられるのが、下記の様な針葉樹と広葉樹による分類です。

樹種別特徴

 

[ 針葉樹の塗装 ]

 

針葉樹は、まっすぐできれいな材が取れるため柱や床など建材として用いられることが多く、広葉樹より足触りが柔らかく温かみを感じられるなどの特性があります。
全般的に素地の色が明るく塗装のツヤむらや色むらを起こしやすいので、内装で濃色を使う場合には必ず試し塗りをして色を確認しましょう。

杉

◆ スギ

スギが持つ木目を明るく見せ表情の柔らかさをそのまま保護する、ツヤなしのクリア塗装がよく選ばれます。
スギの柾目はクリアオイル(アルドボス)で緻密な木目をそのまま生かす塗装をしますが、板目は着色効果が高く様々な着色(カルデットタヤ)も楽しむこともできます。
また、同じ板でも年輪に近い心材(赤みがある)と樹皮に近い辺材(白みがある)の部分に別れることがあり、素地の色差を最小限に抑え空間の統一感を出す薄茶系の塗装(タヤ・亜麻色)もおすすめです。

 

◆ パイン

日本ではパイン材に、ツヤなし・淡色の浸透性オイル(アルドボス又はカルデット)が選択されることが多い傾向です。しかし、ヨーロッパでは黄変(日焼けや植物油の経年変化によって材が黄色っぽくなること)を好まない人が多く、うっすらと白色の顔料を含み白木の質感を生かし日焼けを遅らせる「白木仕上げ」(クノス白木)が人気です。

 

◆ ヒノキ

ヒノキは白っぽいものからピンク色のきれいな素地が特徴で、着色されることはほとんど無いように思われますが、伝統建築では白木仕上げ(クノス白木)を行い素地の美しさを維持します。
ヒノキは脂分(やに)が多く浸透性のクリアオイルでは吸い込みむらが出やすいため、白木仕上げ以外なら半造膜型のオイル(クノスクリア)をおすすめします。

 

 

[ 広葉樹の塗装 ]

 

広葉樹は硬く素地の色や木目に多様性があり、家具や床材などに使われてきました。針葉樹とは違い導管があり、その配列によって主に着色塗装を効果的に使う散孔材と、素地の硬さと美しさを高める塗装が向いている環孔材に分けられます。

散孔材 国産材の約6割を占める。大径の導管が木目に沿って多く存在する。
環孔材 熱帯産の多くを占める。導管径が細く木目と無関係に多数存在する。

家具

<散孔材>

着色やツヤ(有無)の選択が可能で、幅広い仕上げに対応できるのが散孔材の特徴です。

 

◆ ナラ・オーク

クリアオイル(アルドボスクノスクリア)を塗ることで、「濡れ色」になり素地の色が深みを増します。
着色をする際はツヤなしの浸透力が高い着色オイル(カルデット)を下塗りして色調を均一にし、半造膜型のオイル(クノスクリア)で仕上げると高級感が増します。
白木仕上げ(クノス白木)で、ナチュラル感を高めることもできます。

 

◆ クリ

ナラ・オークと基本的な部分は共通しており、最終仕上げについて少し注意が必要な木材です。広葉樹は針葉樹よりもタンニンを含む材が多く、中でもクリは水分や汗に反応して黒っぽく変色することがあります。ワックスや浸透性オイルの様な含浸塗料ではなく、半造膜型のオイル(クノスクリア)で仕上げ塗りをすることをおすすめします。

 

<環孔材>

散孔材に比べておとなしい木目の環孔材は、素地そのものに色がついているものが多く、塗料の吸収も少ないため少量のオイルで広い面積を塗ることができます。

 

◆ ウォルナット

室内の床に使う場合には素地の色を生かす浸透性のクリアオイル(アルドボス)を使うことが多いですが、半造膜オイル(クノスクリア)で仕上げるとさらに表面の撥水性と質感を高められ、家具に用いる際は塗り回数が多いほどツヤが増します。

 

◆ メープル・サクラ

クリアで仕上げる場合はウォルナットの塗装方法と共通ですが、素地が明るい材のため白木の質感を生かし日焼けを遅らせる白木仕上げ(クノス白木)でも美しく仕上がります。

3. オイルの基本の塗り方(内装)

塗装は、湿度の高い室内や雨の日は木も水分を含み乾燥不良の原因となるため、室内温度12℃以上で晴れた日の日中に行いましょう。内装で使用の際は、ウレタン塗装やニスなどと違い塗膜はほとんど作らないため、余分な油分が表面に残らない様に拭き取りを行います。

 

<準備するもの>

・サンドペーパー(一般的には#240・#320など下地の状況に合わせる)

・刷毛・コテ刷毛(刷毛はコシがありオイルをよく含むステイン用を推奨)

・ウエス(市販品以外でも、綿率が高い使い古しのタオルやTシャツなどで代用可)

・かく拌スティック(塗料をかき混ぜることができる、先がヘラ状のもの)

 

①  素地調整
ほとんどの木材は含水率が一定以下で表面がきれいな状態で納品されますが、下地処理によって仕上がりの良さが決まるので、塗装前に下地の状態をよく確認しておきましょう。
塗料が良く吸い込む様にキズや汚れのある場合はサンドペーパーでならし、木材の表面は清潔且つ平滑でよく乾燥した状態にします。

 

②  下塗り
デュブノ(261プライマーオイル)で下塗りする目的は、木に深く浸透し仕上げ塗料との密着性を高めるためです。木目もよりきれいに見え撥水性が高まり、木材や塗装のわれも防ぎます。

 

デュブノは着色オイルで仕上げた際に色むらが出やすい樹種の着色むらを抑え、木が持つ油分が多くなかなか塗料が浸透しない様な、硬い広葉樹と仕上げ塗料の密着を補助したりする用途にも使います。

(塗装方法)
デュブノ(261プライマーオイル)を薄く均一に塗り広げ(15㎡/L)、約20〜30分後に浸透しなかった油分をウエスで拭き上げます。24時間乾燥させた後、木にケバ立ちが見られる場合には#400程度のペーパーでやさしく擦って取り除いて下さい。

*デュブノを下塗りしない場合は、樹種に合わせた塗料を塗ります。

刷毛で塗装

③  仕上げ塗り
顔料や樹脂分が沈殿しているため、かく拌スティックなどで塗料をよくかき混ぜます。(蓋をした状態で缶を振るだけでは塗料の成分は完全に混ざりません。使用中に色が濃くなったり粘性が高くなり塗りにくくなったりなど、使い始めと終盤で状態が変わる場合があります。)

 

デュブノを下塗りした場合は、適用範囲と必要な保護の度合いに応じて1〜3回塗ります。オイルのタイプによって塗り回数や拭き取りのタイミングが異なりますので、各塗料の仕様書を参考にして下さい。

 

アルドボスカルデット
1回目は、塗料を木目に沿ってたっぷりと塗り広げた後、20分以内に余分なオイルをウエスで拭き取ります。
(24時間乾燥後、サンドペーパー#180〜240で研磨)
2回目以降は塗料をとても薄く塗布し、すぐにウエスで磨く様に拭き取ります。

 

クノスクリアクノス白木(床)
1回目は、塗料を木目に沿ってたっぷりと塗り広げた後、10〜15分後に表面を刷毛でならし、すぐに余分なオイルをウエスで拭き取ります。ウォルナットなどのオイルを吸収しにくい樹種の場合は、25分以内で少しオイルの吸収時間を長めに見ましょう。
(24時間乾燥後、サンドペーパー#180〜240で研磨)
2回目以降はごく薄く塗布し、15分後に余分なオイルをウエスで拭き取ります。

 

クノスクリア(家具・建具)
家具でクリアオイルのみを使用する場合、2回目以降はオイルを約5ml /㎡を薄く塗布後すぐに木工用の研磨パッドで刷り込むように塗ることで、さらに表面の耐摩耗性とツヤを増すことができます。

 

〈 注意事項 〉
!塗装前に周囲をマスキングテープやマスカーで養生する。
!塗布量は目安です。樹種や材の吸い込み具合によって異なる。
!植物油が主成分のオイルは、使用した刷毛やウエスが一定の温度を超えると自然発火する可能性があるため、使用後すぐに十分な水に浸すか密閉した缶に収納してから処分する。
!白色やライトグレーで着色する際は、植物油が主成分のクリアオイルを仕上げに使うと黄色っぽく変色することがあるので使用を避けて下さい。

塗料は取扱説明書で参考塗布量や拭き取りのタイミングなどを確認しておくと、より仕上がりが美しくなります。

4. 塗装後の寿命やメンテナンスコストについて

オイル塗装とウレタン塗装の違いは、塗装後の木のメンテナンスコストと建物の寿命にも大きく関係します。ウレタンは表面強度が強く撥水性もありますが、メンテナンスを個人で行うことは大変難しく、調湿性があり、断熱性能が高い木の特性を閉じ込めてしまいます。

ビボスでお手入れ

オイル塗装はメンテナンスをDIYで行うことができます。無垢材の家具が定期的にオイル塗装を行なって永く愛用されるのと同様に、無垢の床材も自分で手入れすることで永く使うことができるのです。欧米でDIYが盛んなのは、自分でメンテナンスをすることでコストダウンを目的とする点もありますが、家の寿命(=価値)を永く維持するためでもあります。

 

近年、日本でも省エネや健康の観点から家の基本性能を上げることへの認識は高まっており、建材の中でも気密や断熱に関する窓や断熱材などに関心が集まっています。例えば、窓もアルミサッシ<樹脂サッシ<木製サッシという順に気密・断熱の性能評価をされていますが、木製サッシはメンテナンスの面でも塗装や一部の金物の交換を行うだけで30年以上もつ「耐久性が高い」という点も重要です。

 

参考記事:「エコバウ建築ツアーレポート(Day.5_Day.6)」

将来のリフォーム(住居費)のコストを合理的に抑えるために、DIYでメンテナンスができる木やオイル塗装を選択するという考え方もあるのです。

 

最後に

木を使う場所や用途によって塗装の種類を選ぶことは重要ですが、室内の床・家具などのオイル塗装であれば、塗りやすさや匂いなどの作業性が良い自然塗料がおすすめです。
リボス自然健康塗料であれば樹種と相性の良い仕上げ方法を選んで、見た目にも健康にも快適で永く住める家づくりが実現できます。

 

  筆者プロフィール

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