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自然塗料の種類

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ペイントローラー、刷毛画像

家づくりや家具のメンテナンスで塗料を選ぶとき、何を基準に選ぶか迷いますよね。

 

“塗料”と一口に言っても数多くの種類があります。

 

最近では、人や環境に配慮した自然素材から生まれた塗料もたくさんありますが、それぞれの違いは何でしょうか?イケダコーポレーションが提供するリボス自然健康塗料を含め、種類や機能・安全性についてご紹介します。

自然塗料とは

塗料は種類が多く、対象物に合わせて適切に選択しなければなりません。木部に使われる主な塗料の種類は、造膜型塗料・含浸塗料の2つに大別することができます。造膜型塗料は塗ることで防汚・防水や防腐の役割を果たしますが、木の調湿性は妨げてしまいます。含浸塗料の中でもオイルステインは、木の調湿性を妨げず保護するので、無垢のフローリングや家具の特性を生かすことができます。含浸塗料の中でも、環境や健康を考慮して作られたものが自然塗料です。

塗料の種類表

自然塗料は、天然の素材だけを主成分としてつくられた塗料です。一般的な塗料は様々な化合物が混合されているものがほとんどで、安全性がとても分かりにくいものです。せっかく木を使って住まいや家具を仕上げたのなら、室内の仕上げ塗料にもこだわって快適な居心地を実現したいところ。外壁に無垢の木材を使用するのであれば、少しでも長く美しい外観を保つことが重要になってきます。自然塗料はひとや環境にやさしいだけでなく、建物の内外における木材の保護や機能性保持の役割を果たすものでもあります。

自然塗料の種類は何によって分けられる?

自然塗料は、原材料によって下記の種類に分けられます。

自然塗料種類表

塗料は一般的に、

樹脂(主成分)+溶剤+添加剤+顔料

など、4成分で構成されます。

自然塗料の中でも撥水性や表面強度があり、よく使われるオイル系自然塗料では、

 

① 主成分には、どの様な植物油を採用しているか?

② 溶剤(主成分を溶かして塗りやすく、乾燥を助けるもの)は何を使用しているのか?

③ 添加物(塗料の機能を上げるもの)や顔料(色付けや肉付け)には何が使われているのか?

 

に着目すると、その塗料の特徴が分かりやすくなります。

 

① 樹脂(主成分)

品質・耐久性の決め手となります。オイル系自然塗料の主成分である植物油は、「ヨウ素価」の数値によって分類することができます。「ヨウ素価」とは、油脂の性状を示す重要な特性のひとつです。油脂のうち、常温で液状のものを脂肪油といい、植物油の多くがこの脂肪油に属します。

この表のように、脂肪油はヨウ素価の数値から「乾性油」「半乾性油」「不乾性油」に分類することができます。ヨウ素価が130以上と高いものが「乾性油」に分類され、亜麻仁油や桐油などはこれにあたります。乾性油は乾燥性が高く木の導管の中に定着し固まるため、木材保護効果が高いとされており、自然塗料に適した植物油といえます。

 

② 溶剤
溶剤は、樹脂を溶解するための成分です。
アルコール類やトルエン・キシレンなどシンナー類などが含まれたシンナー類が一般的で、塗装後は揮発し有害物質を発生します。
特に安全性に重きを置いている自然塗料メーカーでは、ホームページやカタログで成分内容を公開しており、ホルムアルデヒドやトルエン・キシレンなどのシックハウス症候群の原因になるVOC(揮発性有機化合物)を使わず、「なぜその溶剤を使っているのか?」という説明もなされています。
現在の日本では「自然素材」や「自然塗料」の基準はなく、そのため「自然塗料」と謳っている塗料にも含まれている場合があります。

 

③ 添加剤・顔料

(添加剤)
添加剤は主成分では補えない防腐や防カビなどの、塗料の機能を向上させるためのものです。
溶剤と同様に添加剤の中には、商品自体への表示を省略されるものもあります。

(顔料)
塗料の色付けや肉付けをする顔料においては、自然塗料では植物顔料か鉱物顔料の採用が多く、様々な気候を経て何万年もかけて形成される鉱物からできた顔料は、植物顔料よりも耐候性に優れています。

なぜ自然塗料は選ばれるのか?

亜麻仁種子写真

自然塗料を選ぶ際に、何が決め手になるのでしょうか。

2003年に建築基準法が改正されて以来、シックハウス対策法として内装建材の適切な選択の必要性や、塗料や接着剤に関しては溶剤の危険性などが広く認知され、内装仕上げ材に使用するものは、カタログや安全データシート(SDS)などで確認し、商品の原材料や成分の安全性を配慮することが当たり前になりました。自然塗料は漠然と「安全」に焦点を当てられることが多いですが、本来は木の特性をいかすための塗料でもあります。「木に適している塗料は何なのか?」ということも、自然塗料を選ぶ時の重要な視点です。

 

自然塗料は木が本来持っている機能を損なうことなく、自然由来の建材として簡単にメンテナンスができ、耐久性を伸ばすことができます。さらに自然な木目の美しさやあたたかみのある手触りなどの特性は、塗膜を張らない自然塗料だからこそ、私たちが感じることができるものでもあります。木は湿度が高い時は水分を吸収し、乾燥している時には放湿する天然の調湿素材です。(※1)木の表面を造膜系塗料で覆うことで、調湿材としての機能は失われてしまいます。

 

また近年の住宅の高気密化の流れの中では、室内の乾燥を防ぎ、きれいな空気を保つため、室内にオイル仕上げの無垢フローリングや漆喰などの調湿性のある建材を使用するケースも増えています。適切なメンテナンスをすれば木が50年、100年の耐久性を持つことは、多くの木造建築が現存することでも証明されています。雨風にも強い塗料というと、オイルペイントやアクリル樹脂エマルションペイントというイメージがありますが、木の呼吸性を妨げてしまいます。また、せっかくの木目が消えてしまうだけでなく、どこか一点でも塗膜に傷が入って水が侵入すると、木が反ったり内部に水分が溜まり、木の腐食に繋がることになります。そのため美しい状態を維持するために、こまめに塗装を繰り返す必要があります。室内で使用されるウレタンワニスや合成樹脂系塗料にも、同じことがいえます。

 

次に、自然塗料は、成分や安全性の他、作業性が良いという点でも選ばれています。

造膜型塗料で仕上げられた無垢フローリングや家具はメンテナンスが難しく、その塗膜が傷ついたり剥げたりした際に、専門業者に修復を依頼することがほとんどです。自然塗料は周囲へのにおいや安全性を気にせず、誰でも塗ることができます。また、欧米では、新築よりも既存住宅の流通が圧倒的に多く(※2)、専門業者に頼らず、ある程度自分たちで家や家具を手入れして住み続けることで、節約しながら建物の資産価値を保ちます。そのため、メンテナンスのしやすい塗料が選ばれます。亜麻仁油やエゴマ油は粘性が低いので作業性が良く、とても塗りやすいものになります。

 

これらは植物の種子をすり潰し作られる油で、一般的な植物油メーカーは80℃前後の高温で圧力をかけて抽出します。しかし、高温で抽出された植物油は分子が大きくなるため、塗料はねばりが強く伸びが悪い塗料となります。つまり、塗料として扱いやすいのは、低温で時間をかけて抽出した植物油を主成分としたものといえます。

 

リボス自然健康塗料は40℃の低温で丁寧に時間をかけて抽出された、高分子の亜麻仁油のみを使用しています。そのため、伸びが良く難しい技術を必要とせず塗ることができます。

リボス社は全成分を明示

リボス製品イメージ

ドイツで1974年に設立されたリボス自然健康塗料は、自然塗料のパイオニアとして環境や健康に対して安全な塗料の供給を始めました。また、生産エネルギーに関しても再生可能エネルギーを超えて消費しない、という持続可能なポリシーを創業当初から守り続けています。1984年からは個別製品ごとの「完全成分表示」を行なっており、ユーザーが自身で安全性を判断できる様に配慮しています。

 

ドイツでは自然塗料メーカーが共同で、「天然素材を主原料とする」「製品中の成分を完全表示する」などの自主基準を設けましたが、前述の通り日本では自然塗料の定義は明確に定められていません。また、防腐剤や防カビ剤が混合された商品が多くありますが、表示の義務はなくほとんどは全ての成分を確認することはできません。リボス自然健康塗料は完全成分表示のほか、原料栽培の段階でも農薬などが混入しない様に、契約農家と有機栽培農法を採用するなど、安全性に最大限の注意を払っています。

リボス製品紹介ページ

自然塗料はリボス自然健康塗料

塗料の塗膜形成の有無や樹脂の違いによって木材保護性能は変わり、どのような塗料を選んだとしても、いずれメンテナンスの時期を迎えます。塗料を選ぶ基準として木材保護性能や作業性はもちろん重要ですが、成分内容等の情報公開が明確なものの方が安心でしょう。塗装の際には天然成分であっても人によって反応する可能性はあり、特にアレルギー体質の方などは、肌の露出を避け手袋やマスクなどの装備があれば万全です。

 

特に、住まいに塗料を選ぶなら、自然塗料は自分や周囲への安全面のリスクが少ないだけでなく、木の特性である調湿性や美観を保つ、木材保護の観点からもおすすめです。高機能・安全性を備えているリボス自然健康塗料を、ぜひお試しください。

 

(参考URL)
※1 林野庁「木材は人にやさしい
※2 国土交通省 平成30年度 住宅経済関連データ
<9>居住水準等の国際比較 (2)住宅の利活用期間と既存住宅の流通

 

  筆者プロフィール

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