【EU視察2024レポート】Day2.シュタイコポーランド工場
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コラム
シュタイコ
EUの視察に行ってきました
4月26日〜4月30日にかけてイケダコーポレーション社員でエコロジー先進国EUの視察に訪れました。
2日目は木繊維断熱材シュタイコの生産現場、ポーランドにあるSTEICO社のもつ現在一番大きな工場の見学レポートをお届けいたします。
■1日目レポートはこちら
STEICO社 ポーランド工場
STEICO社が保有する工場は現在4つ、計21本の製造ラインがあります。ウッドファイバーを製造する会社は他にもありますが、ほとんどが1ラインしか持たないのに対しこれだけの数はSTEICO社だけ、桁違いの世界最大規模を誇ります。後ほどご紹介する「ウェットプロセス」と「ドライプロセス」、他にも出荷先の地域に合わせた仕様の調整などもライン数を持つからこそ実現可能となっています。
今回見学させていただいたのは、その中でも最も多い12ラインを持つ工場で、約750名の従業員が日々作業しておられます。
ここで生産される製品の量は1日350コンテナ。現在イケダコーポレーションが年間で輸入しているコンテナ数は・・・シークレットですが、日本が小さな島国であることを加味しても世界で見ると本当に極々わずかなシェアしかまだ実現していないことを痛感します。
まずは森から伐採された木を保管してあるエリアへ。
シュタイコに使用される木材は管理を徹底された国有林のみ、主にマツ科10〜40年生の木です。木は成長する際にCO2を多く吸収し炭素として幹などに蓄えるため、長い年月をかけて太く大きく成長させれば良いというわけではなく、適切に成長の具合や周辺環境など総合的に管理された森林の木のみを使用しており、FSC、PEFCなどの認定も取得しています。なので写真を見ると「こんなに若くて細い木を切ってしまうのか?」とも思ってしまうかもしれませんが、きちんと環境に負荷をかけずCO2削減・炭素固定化にベストなサイクルで生産管理されていることが、木繊維断熱材を安心して使用していただくポイントでもあります。
中心部分は製材され、端材がウッドチップとなりシュタイコの製造ラインに運ばれていきます。
車で登れるほどのウッドチップの山、外にこれだけの量を置いていたら雨で濡れたり虫がたくさん湧いたりするんじゃ?と不安になりますが、先に述べた「1日350コンテナの製品が生産される」ということで心配は無用ですね。これだけの量もすぐに製品加工で消費されていきます。
いざ製造ラインの建物内部へ!
さまざまな機械を見せていただきましたが、一つ一つ解説するのは難しいので雰囲気とスケールをお楽しみください・・・
徒歩で巡りましたが、各建物まで移動距離が長い!工場敷地の入り口から一番奥まで、なんと7kmもあります。皇居ランニングが1周5kmなので、この日の見学で2周分は歩きました。例えがいまいち難しいですが、とにかく視察メンバーは足がパンパンになりました。
シュタイコならではの製造過程が「ウェットプロセス」です。
25mm以下の薄さにも関わらず断熱性能はもちろん防音性能も優れているもの(現状の取り扱い商品であればSTEICO base)が製造可能で、これは現在STEICO社にしかできない技術です。ウッドチップからファイバー化したものに高温の蒸気をあて、木から出る成分のみで接着して板状にしていきます。
できたてホカホカのものを触らせていただきました。
ちょっと美味しそうです。
STEICO社のYouTubeでもこちらの「ウェットプロセス」とSTEICO zellなどの「ドライプロセス」の製造過程が紹介されているのでぜひご覧ください。
■ウェットプロセス
■ドライプロセス
工場内を歩きながら、案内人でアジア統括責任者のマルセル氏にさまざまな質問をさせていただきました。
常に探求と研鑽を欠かさず製品にも使う方にも環境にも誠実である。STEICO社が「これほど広大な工場を持つから木繊維断熱材のシェアNo.1になった」のではなく、「誠実であり続けた結果、多くの信頼を得て現在に至る」のであるのだと改めて実感しました。一朝一夕ではいかない難しいことですが、イケダコーポレーションもヨーロッパとは異なる日本の気候やさまざまな状況と向き合いながら、お客様にとってのベストをご提案できるように努めたいと思います。
たくさん歩いて物理的にも身が引き締まる1日でした!
シュタイコブランドマネージャー 藤澤
3日目、天然粘土塗料レームファルべのレイノス社訪問の様子はこちら