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COLUMN

コラム

建材の供給環境が変わる中で

世界で何が起きているか

2026年の春、建材市場に構造的な異変が起きている。
中東情勢の悪化を背景にホルムズ海峡の混乱が生じ、石油を原料とするあらゆる建築資材にコスト増と供給不安が同時に生じている。エネルギー価格の高騰は、ガソリンや電気代に留まらない。石油はナフサになり、ナフサは断熱材・塗料・接着剤・防水材・壁紙の原料になる。サプライチェーンの上流で石油供給が不安定になると、下流の建材には遅れて大きな影響が出る。その「遅れ」が今、日本の建築現場に混乱を招いている。

ドイツメーカーが語る欧州の現在

当社が取引するドイツの建材メーカーから、直近の現地報告が届いている。
「EPS・XPSなど石油系断熱材の価格が急騰しており、欧州のメーカーは4月以降10〜15%の値上げを発表している。価格は月単位の設定となり、今後もさらに上昇する見通しだ」
「この状況を受け、木繊維断熱材をはじめとするバイオベース製品への代替需要が急増している。エネルギーコストの高騰は住宅の断熱性能への関心をさらに高めており、最終消費者も高断熱を暮らしのコスト削減として実感し始めている」
「原材料については、ポーランド国有林との長期契約により材源を確保している。現時点では製造・供給に大きな影響は出ていない」

ドイツを中心に、木材・麻・天然繊維などのバイオベース材料の使用促進がヨーロッパ全体の建築の慣行を形作りつつあり、持続可能な素材への需要を着実に押し上げている。

欧州では今回の石油ショックが、バイオベース建材への移行を一気に加速するという声も少なく無い。

日本の今——現場で起きていること

日本の建築現場でも、同じ連鎖が今まさに進行している。
石油系断熱材の不足影響が現場での工期遅れに波及しており、断熱材・接着剤・ルーフィングと幅広い建材が受注制限のリストに名を連ね、「家が、建たない。見通しすら、立たない」という声が現場から上がっている。

数字で見ると深刻さが浮き彫りになってくる。石油系断熱材においては主要メーカーによる大幅な価格改定が相次いでおり、一部では供給制限や新規受注の調整といった動きも見られている。

また、塗料用溶剤(シンナー)についても国内メーカーによる大幅な価格改定が実施されており、調達の難しさを感じる声も現場から聞こえてきている。

さらに、内装材を含む関連建材においても価格改定の動きが広がっており、一つの現場に関わる複数の建材で同時に影響が出ている状況といえる。

これから何が起きるか

中東情勢の行方は依然として不透明であり、短期的な解決を期待するのは現実的ではない。エネルギー価格の高止まりが続けば、石油系建材のコスト圧力は製造・物流・梱包のあらゆる段階で持続する。今年後半の原材料・エネルギー契約の更改時期に向け、さらなる価格改定が行われる可能性は高い。
加えて、石油系断熱材の供給不安が長引くほど、代替需要が特定品目に集中し、今度はその品目にも品薄と価格上昇が波及するリスクがある。

代替品を探して動き始めた時には、その代替品もすでに不足していた——という事態が今後より広範に起きることが懸念される。
工期の遅延、見積もりの無効化、施主への説明コスト、代替品探しに費やす時間。これらは単なるコストの問題ではなく、工務店・設計事務所・施工業者としての信頼性に直結する問題でもある。

今、見直すべき備えるべきこと

「自社の標準仕様に、石油系建材への依存はどれだけあるか」
断熱材・塗料・仕上げ材・内装材——それぞれの石油依存度を確認し、石油由来でない代替素材を今のうちに仕様として組み込んでおくことが、これからの建築業者にとって現実的なリスクヘッジになる。
供給不安が深刻化した後に代替品を探し始めるのでは遅い。今、まだ選択肢がある時期に、施工実績を積み、標準仕様を更新しておくこと。それが半年後・一年後の現場を守ることにつながる。
欧州では既にこの転換が起きている。石油系建材の価格急騰を受けて木繊維断熱材などバイオベース製品への移行が進んでいる欧州の姿は、今から準備を始めた日本の工務店が向かう先の姿でもある。

私たちがお役に立てること

自然由来の素材をもとにした建材と30年向き合う中で、住まいの質や建築のあり方を支える本質的な価値を見つめてきました。その経験をもとに、いまお困りの現場に寄り添い、選択肢の一つとしてお役に立てる製品をご紹介します。

木質繊維断熱材「シュタイコ(STEICO)」

ドイツに本社を構えるSTEICO社は欧州内に4ヶ所の製造工場を持つ木質建材のパイオニアであり、世界市場での木質化・サスティナブルな建築を牽引するリーディングカンパニー。シュタイコが使用する木材は管理を徹底された国有林のみに限定され、マツ科10〜40年生の木材がFSC・PEFC認証のもとで持続可能なサイクルで調達することを徹底しています。

レイノス天然塗料

亜麻仁油・桐油・蜜蠟など、植物・鉱物由来の原材料を主成分として構成される天然塗料。シンナー(トルエン・キシレン)を必要としないため、安定供給出来る体制があります。室内空気質の改善・健康住宅の提案にも資する素材として、設計者・施工者から好評を得ている。

スイス天然本漆喰スイスウォール

主原料は石灰石(炭酸カルシウム)。スイス漆喰は欧州で何百年もの使用実績があるもので、室内の空気の消臭・調湿を助け健康な住まいのお手伝いします。

ウッドチップ壁紙オガファーザー

廃紙や木材チップを主原料とするバイオベースの内装材。石油系クロス壁紙の価格急騰・供給不安がある建築関係者の方々に内装仕上げ材の代替仕様としてご提案・ご相談を承っております。

建材選定に関するご相談とサポート

半年後・一年後の現場を見据えたとき、今の段階でできる準備として、標準仕様の中に石油由来に偏らない建材の選択肢を加えておくことも、一つの考え方ではないかと考えています。

私たちはエコロジー建材の輸入商社として、製品の供給だけでなく、施工サポートやサンプル提供、仕様に関するご相談を通じて、現場のお役に立てればと考えております。

このような状況だからこそ、できる限り正確な情報と、安心してお使いいただける素材をお届けすることが、私たちの役割の一つであると考えています。

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