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レポート|BAU2023&シュタイコ社視察ツアー

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BAU2023&シュタイコ社視察ツアーレポート

2023年4月17日〜23日にBAU2023&シュタイコ社ツアーを企画・催行しました。 シュタイコ木繊維繊断熱材に関心を持つ施工店・販売店の方々と共に4年ぶりのコロナ禍明け、ドイツ ミュンヘンへはヨーロッパ最大の建材展展示会BAU2023とシュタイコ断熱技術アカデミー参加のため赴きました。その様子をレポートいたします。

1日目(4月18日)

ロシアのウクライナ侵攻の影響で普段日本からドイツ・ミュンヘンは15時間程度だが、今回は何とほぼ24時間。

 

ようやくたどりついたホテルで少しだけ休憩。早速、シュタイコ社のウェルカムディナーへ。本場ミュンヘンのビールとバイエルン郷土料理シュニッツエル(子牛のカツレツ)を満喫し、ビールとおいしい料理で会話もはずみ、やはり話題は断熱材やエネルギー問題に・・・

 

 

 

Q:日本で木繊維はとても関心高いが、将来採用は増えるか?

A:増えます!特に日本の断熱事情は20年前のドイツと非常によく似ています。ドイツは40年前から脱ケミカルなど徐々に進めてきたので、そこから想定するに今後日本は非常に期待できます。

 

Q:ドイツは脱原発を実行しましたが、これから自然エネルギーの重要性がさらに高まっていくかと思いますが、どう思いますか?

 

A:太陽光、バイオマス、風力、水力、地熱はもちろん、蓄電池などの再生エネルギーも増えてきており、自然再生エネルギーはドイツ全体のエネルギーの4割ほどに上がってきており2050年に向けて80%以上を自然エネルギーに変えていく予定です。ロシアの石油や天然ガスに依存しないためにドイツはエネルギーシフトを積極的に進めています。

 

長時間のフライトの疲れも吹き飛ぶくらいの濃密な会話で3年ぶりのドイツの滞在が実りあるものであることを予感した嬉しいシュタイコ社とのディナーだった。

バイエルン郷土料理シュニッツエル(子牛のカツレツ)

2日目(4月19日)BAU2023

「BAU2023」建材展示会は、ドイツのミュンヘンにて2年に一度、1月―2月に開催されてヨーロッパ全土から約20万人の来場者と2,260社が出展するヨーロッパ最大の展示会。

 

コロナ禍もあり今回は特別に4月17日〜22日の6日間開催されるという変則的な日程であった。おかげで零下10度ではなく春の兆しの天気のミュンヘンを楽しむことができた。しかし、BAU展示会の会場は入る前から長蛇の列。人人人で溢れかえっていた。

 

開場は9時半、シュタイコ社ブースまで東京ビッグサイトの18倍の会場を歩きまわり、最新の建材情報を訪ね歩いた。テーマ『持続可能性と気候中立性』をもとにさまざまな建材メーカーが軒を連ねる中、シュタイコ社ブースはまさに『持続可能性と気候中立性』のシンボル的存在、他建材メーカーとは一線を画していた。シュタイコ社はコロナ禍でより住宅を考える層が増えたことで、売り上げが1.5倍に伸長した。

 

その勢いを借りて積極的に木繊維の新商品の開発を行い、それらが並ぶ非常に充実した展示だった。その一つが木繊維断熱材の吹込であり、木繊維の防音効果を利用した床用シートなど、木の可能性をフルに活用した商品が出展されていた。将来日本でも取り扱いを検討したい。

 

また木繊維断熱材を下地にして、その上に粘土を塗り断熱性と蓄熱性を併せ持つパネル製品など、まさにエコロジーで健康な暮らしを実現するための製品も見られた。

3日目(4月20日)シュタイコ社

シュタイコ主催の技術アカデミーをシュタイコ本社にて受講。

 

吹込みのマイスターや吹込み機械のエキスパートなどから技術的で専門的な講習と実践中心の講義を受け、シュタイコアカデミー卒業証書を授与された。 講師はマイスターのウルフガング氏(木繊維吹込みエキスパート)。

 

アカデミーの内容は

・STEICO社について

・製品の種類(22種類)について

・製造工程、成分について

・パッキング方法

・他成分の断熱材との比較

・木繊維断熱材の機能性

・吹込み機械について(機種・施工性)

午後からも再び座学+実技。 勘所はゼルの密度と品質をどのように担保するか。 シュタイコ社の長年の実践から得た吹込みノウハウの密度と施工など詳細について知れたことが大きい収穫だった。やはり歴史が違うことから日本との違いがわかったのも大きな気づきであった。このアカデミーで得た技術を元に日本の環境に合わせた断熱ノウハウを構築していく必要性を再確認した。

終了後、ミュンヘン市街の歴史的なマリエン広場へ繰り出し、歴史的背景を聞きながらの散策。ディナータイムはかの有名なビアホールのホフブラウハウスへ。本場のビール、本場の熱気、そしておいしい地元料理と会話を楽しんだ。

4日目(4月21日)現場見学 

シュタイコ木繊維吹込み断熱材ゼルの施工を現場で見学する一日。車でオーバーバイエルン(ドイツ南部のアルプス)を右手に見ながら、アウトバーンを東へ。ミュンヘンから約一時間、ザルツブルグまでの道のりの中間あたりのオーストリア キーム湖近くにある新築戸建て物件が最初の現場であった。

 

有志で協力してくれた地元の吹き込み断熱業者は、自然素材の断熱材だけを吹き込むことで、地元で評判の業者だった。日本でも10年後自然素材を扱う人気の業者が出来ることを願うばかりだ。見渡す限りオーストリアアルプスの山間部の中の、「まるでハイジの住む家」のような住宅の屋根断熱工事中を見学。早速現場で職人さんにあれこと細かい質問をしたにもかかわらず、嫌な顔一つせず丁寧に答えてくれた。

聞くとなんと7チームで年間3000件の断熱工事をしており、内半分がシュタイコ木繊維断熱材とのこと。最近はセルロースから木繊維に人気が移ってきているとも話していた。 壁はレンガ断熱(この地域では一般的)300㎜ほどを断熱材の代わりにしている。屋根は木繊維吹込み断熱材を240㎜垂木簡に吹き込んでいた。ここでも日本との機械のパワーの違いから、その圧倒的な施工スピードに全員驚きを隠せず。さすがに歴史が違う!!

2件目は16世紀頃建築の古民家の断熱リノベーション現場。屋根下地を作り屋根に木繊維を吹込み。吹込み木繊維断熱ゼルは、新築、既存建築を問わず最先端の断熱性能を得られることから、日本でも例えばRCマンションの断熱リノベーションなどにも十分に性能発揮できるということを発見した。

シュタイコ社レポートより

シュタイコ(STEICO )とパートナー企業である株式会社イケダコーポレーションの招致により日本の建設業者と加工業者のグループがシュタイコゼル(STEICOzell)吹き込み断熱材に関する認定コースを受講しました。

 

吹き込み断熱は日本でよく知られ、一般的な方法です。 それもそのはず、地震が繰り返し発生するこの国の建設では、建設中に多くの支柱や補強材が必要になります。 結果として生じるさまざまなサイズの壁や天井の空間または小さな隙間に、吹き込み断熱材は迅速かつ簡単に充填できます。

 

日本の建設業者は現在、吹き込み断熱にはセルロース断熱材を主に使用しています。 しかし、同様に経済的で、環境に優しく、エネルギー効率の高い解決法として、天然木繊維から作られた シュタイコゼル 吹き込み断熱材への関心が高まっています。 長年の顧客である株式会社イケダコーポレーションとともに、BAU 2023の視察とバイエルン州の認定トレーニングコースに招待しました。

数日間にわたるプログラムは、とりわけBAU シュタイコ展示ブースの訪問から始まり、シュタイコ木質繊維断熱材の多様な用途と可能性を紹介しました。 参加者の方々は、シュタイコの将来性についても知ることが出来ました。 (写真はSTEICO 本社で、さまざまな理論と実践による集中的なトレーニングの風景です。)

吹き込み断熱材の紹介、 Norbert Baumann (X-Floc Japan) のサポートによる各種ブローイングマシーンの技術と使用方法の紹介、 ブローイング技術の実践、 STEICOサービスの紹介など。

 

現場見学の日は、一行をキーム湖近くの現場のウーバーゼーにお連れしました。 アインブラッツェントルム・バイエルンのピーター・マイア氏とピーター・サマーラー氏とともに、2つの建築現場を訪問し、それぞれの屋根断熱がどのように内側から吹き込み断熱材で満たされているかを、実際に施工することでレクチャーしました。

 

新しい建物の屋根と改修対象物の両方が、将来も高断熱と謳われるレベルになっています。 一行は、建物の歴史に特に感銘を受けていました。1310 年頃に建築された「カスパルシュミット」と 1584 年に農場の記述が初めて言及されたことは、建物に耐用年数がかけられない日本の企業では全く想像できない様子でした。

 

今後何年にもわたって家と住民を地震や災害から守るために、目の前の建物を改修し、屋根を十分に断熱する重要性に共感していました。 140 ㎡の屋根面積には、36 ㎥以上のシュタイコゼルが充填されました。この量の断熱材により、ほぼ 3 tの CO2 が節約されます。 断熱層は、厚さ 6 ㎝の木質繊維下敷きパネルで完成します。

 

日本の一行は、バイエルンの近代的および伝統的な建築での現場視察の協力施工業者に感謝の意を示し、 そして、その帰路でキームガウ地区で最も古い宿の一つであるヴィルトハウス・フェルドウィスで昼食をとったり、有名なキーム湖で休憩したりして春の兆しを感じる一日を満喫しました。

 

シュタイコ チームは、パートナーである株式会社イケダコーポレーションに感謝の意を表します。企業そして、BAU展示会、施工アカデミーレクチャー、そして現場での実践など変化に富んだ時間を過ごした時間と、そもそもそれぞれの母国語での活発な交流を可能にした同行の通訳の方に滞在を楽しんでいただけたでしょうか。はるばる日本からのみなさんのシュタイコに対する大きな関心と熱意をとてもうれしく思いました。

 

シュタイコ社レポートより

https://www.steico.com/de/news-events/aktuelle-news/japanische-delegation-besucht-steico-in-feldkirchen


 

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