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とうほく走り描き‖第49回 『森とつなぐ、プロとつながる』

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とうほく走り描き49回イラスト

 

第49回 『森とつなぐ、プロとつながる』

長谷川 真児さん(株式会社グリーンライフ

 

6月は、「日光ウルトラマラソン・100kmコース」に出場。序盤、日光市街から中禅寺湖まで往復する「いろは坂」の登り下りが厳しく62.5kmの関門までもう少しのところでリタイアした。100kmマラソンは7度目の挑戦だが、過去完走は1度だけ。それでも繰り返し挑んでいるのは、自分の体力なら、全身の筋肉を効率よく連携させれば必ず走れると信じているからだ。
日本の森林には、国内の建築用材を十分に供給できる資源量があると言われているが、実際には多くの木材が輸入されている。こちらも利用の促進には「使う側」と「供給する側」のさらなる連携が必要なのだろう。

 

工務店の枠を超えて、この課題に挑戦しているのが、福島県猪苗代町の株式会社グリーンライフ・長谷川真児さん。良質材が伐採期を迎えている「やみぞ材」の活用に取り組んでいる。安定した躯体とコストダウンの両立を図り、製材ロスの少ない規格化された構造材を用いた「Blox(ブロックス)工法」を開発された。需要創りも考え、同工法を導入する仲間づくりも並行して進めている。自宅のログハウスをセルフビルドで建築中に「最初のお客様がついた」のがきっかけで工務店を始めた長谷川さん。勝手のわからない業界で苦難もあったが「若さで乗り切れた」と振り返る。長時間労働が良いということではないが、がむしゃらに働いたころを思い出すと「寝ずに仕事をしたような経験も、今の自信につながっている」と話す。
 

猪苗代湖と磐梯山、豊かな自然に囲まれる本社は「Roots猪苗代」のブランドでカフェ・インテリアショップが併設されている。工務店事業以外は「それぞれのプロと組む」と別会社との連携で、高いクォリティを実現している。手がけるビジネスは、どれも簡単そうではないが、語り口は柔らかい。
猪苗代の冬は厳しく長く、その分春を迎える喜びは大きいと言う。百戦錬磨のウルトラランナーのような、たくましさを感じさせる長谷川さんである。

 


〈筆者プロフィール〉

中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。

中島さんプロフィール画像


 

【2018年7月 北海道住宅新聞掲載】

 

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