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とうほく走り描き‖第39回 『大雨災害にも負けず 家具づくりのバトンつなぐ』

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とうほく走り描き39回イラスト

第39回 『大雨災害にも負けず 家具づくりのバトンつなぐ』

工藤宏太さん・林太郎さん(岩泉純木家具有限会社

 

この夏の仙台は、観測史上初の36日連続の降水など、記録的に雨が多く、トレーニングも不足気味。雨をものともせず練習するランナーも見かけるが、私は走る回数が減り、少し体重が増えた。 雨の降り方が、最近明らかに変わってきている。大雨災害も相次いでおり、道内でも昨年の台風10号の被害が記憶に新しい。十勝地方を襲った台風は、東北の沿岸部から上陸。岩手県岩泉町の岩泉純木家具有限会社さんも被災した。工場が浸水、工作機械が全て使えなくなる大打撃を受けたが、今年1月に再稼働。生産再開に際しては、少しでも応援をと、リボス自然健康塗料のオイル製品を提供させていただいた。

 

お盆前に久しぶりに訪問し、復旧した工場を拝見した。昭和50年の設立、社長の工藤宏太さんが先代から続いた製材所の木材加工のノウハウを活かしつつ、付加価値の高い商品生産を意図して立ち上げた。以来、地場産の広葉樹を使い、多くの同業者が合板を使った大量生産に移行していくのを横目に、高品質な家具作りを極めていく。リボス社製品も、輸入開始直後から採用、私がイケダコーポレーションに入社する以前からのユーザーだ。国産広葉樹の材料確保にも注力し、 被災前には3000枚もの板材のストッ クがあった。今回の水害で数百枚が流出したが、工場さえ動けば、すぐに生産できる在庫の裏付けは、復活の支えになったに違いない。

 

この夏同社は、一連の復旧作業の仕上げとも言える大型工作機械を導入。 訪問した日は、宏太さんの息子の林太郎さんが、パソコンの前でメーカー担当から機械の操作を学んでいた。ホー ムページでコラムを綴り、熱心に情報発信しているのも林太郎さんだ。 創業から 40 数年、変化の激しい社会環境・経営環境、さらには天災さえも乗り越えて走り続ける岩泉純木家具さん。フォームのぶれない走りで、宏太さんから林太郎さんへ、バトンが引き継がれようとしている。

 


〈筆者プロフィール〉

中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。

中島さんプロフィール画像


 

【2017年9月 北海道住宅新聞掲載】

 

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