とうほく走り描き‖第43回 『ご縁がつながった「コミセン」』
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コラム
第43回 『ご縁がつながった「コミセン」』
早坂 陽さん(株式会社構建築設計事務所)
新年恒例、ラン仲間で企画する「仙台七福神参り」今年は、十数名がともに走る。同じ仙台市内にいても、年代・職業ともにバラバラで、走ることでつながったご縁である。仕事でも、ふとしたことからご縁が生まれることがある。構(こう)建築設計事務所の早坂陽さんとは、日本建築家協会(JIA)東北支部の協力会に当社が入会して以来親しくさせていただいており、ご自宅までうかがって、遅くまで飲んだこともある。公共設計が多く、住宅向けの商材を扱う当社とは、JIAが無ければ、縁が少なかったかもしれないが、自社事務所の改装では天然スイス漆喰を採用いただくなど、お世話になってきた。
昨年は、宮城県東松島市の地域コミュニティセンターで、塗装下地壁紙オガファーザーにリボス自然健康塗料仕上げが実現。公共物件の木造化推進で、内外装も木質化される傾向で、それに伴い公共工事でも、以前より自然素材の提案も受け入れられやすくなってきているのだろう。同施設は、地域復興の拠点として、土産物店・足湯・宿泊棟を併設、また地場木材の有効活用を目的に、チップボイラーを設置するなどの取り組みも話題だ。従来は、費用をかけて処分していた、松食い虫駆除のための伐採木材を燃料にする構想だという。
建築工事を請けたのは、輸入住宅で知られるセルコホーム株式会社。木造技術が活かせる公共案件にも近年積極的に取り組んでいるようだ。セルコホームの本社は、構建築設計事務所から歩いて数分の距離にあるが「いっしょに仕事をするのは初めて」と早坂さん。来年で設立50周年の構建築設計事務所と創立60周年のセルコホーム。公共工事の新しい流れが、すぐ近くにあったのに接点の無かった二社を、つなげたかたちだ。
2018年。私も「近くにあるのに気づいていない」良いご縁を探しながら日々過ごしていきたいものだ。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2018年1月 北海道住宅新聞掲載】