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とうほく走り描き‖第6回 『100人中1人に選んでもらえる家』

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とうほく走り描き6回イラスト

第6回 『100人中1人に選んでもらえる家』

山内 義一さん (あい建築事務所

 

11月9日、福岡マラソンに出場した。福岡といえば、12 月の福岡国際マラソンが有名だが、東京マラソンのような都市型市民マラソンをぜひ福岡で!と市民の思いで実現した今年初開催となる大会だ。曇り空、後半は小雨降る絶好の天候で、快調に初めて5時間を切る好タイムで完走することができた。どの大会でも、走りながら関係者の努力や熱意を感じるものだ。出場1万人を超える福岡マラソンは、大会のコンセプトを決める作業にも苦労があったに違いない。コースの設定、出場人数、制限時間、開催日、宣伝告知などが大会の成功を左右する。

 

コースは、市内中心部の交通規制の時間を短くという配慮から、中心街の「天神」 駅前を朝8時台に走り出し、ひたすら西へ糸島市を目指す。苦肉の策かもしれないが、結果、都心あり住宅街あり海あり田園ありと変化に富み楽しく走れた。玄界灘に帆を張るヨットからの応援は名物となりそうだ。97%という高い完走率をもたらした7時間という余裕のある制限時間も、参加ランナーの満足度を高めただろう。工務店経営者の悩みのひとつに、コンセプトづくりがあると思う。自社の住宅の特徴を打ち出せず模索を続けているケースも多いのではないか。他社とのコスト競争には、できれば出場したくない。福島県福島市にさっそうと快走を続ける地場工務店「あい建築事務所」がある。

 

内外装ともに弊社の天然スイス漆喰・スイスウォールを標準とし、まっ白な外観と、無垢材中心に既製品を使わないナチュラルな内装がお客様にも好評だ。6年前にモデルハウスを準備されていた頃「本物の自然素材にこだわりたい」と材料のご相談をいただいたのが山内社長との出会い。初めての商談で驚いたのはモデルハウスのデザインだ。正面に大きな丸い窓、まっ白な外壁と洋瓦の可愛らしいパースで「これほどお客様を絞り込むデザインでいいのだろうか」と正直心配になるほど特徴的だった。

 

しかし「100人家を建てる人がいれば、ひとりだけ当社を選んでいただければいい」という山内社長の狙い通り、コンセプトとそれを形にするデザイン・材料にお客様が共感し、他社と競合することはほとんどなく震災後も順調に受注を続けている。全国に大小さまざま、コンセプトも多様なマラソンレースがあるように、規模は小さくとも魅力的な特徴を持つ地場ビルダーが増えていくと、もっと明るい住宅業界になっていくだろう。またぜひ、そうなって欲しいものである。

 


〈筆者プロフィール〉

中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。

中島さんプロフィール画像


 

【2014年12月 北海道住宅新聞掲載】

 

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