とうほく走り描き‖第61回 『会津らしさ生かす断熱性』
第61回 『会津らしさ生かす断熱性』
齋藤 一栄さん(会津暖家)
6月は、いわて銀河チャレンジマラソン100kmの部にエントリーしていたが、前日からの腹痛がどうしても治まらず無念の棄権。レース直前に不規則な食事が続き、胃腸に負担がかかっていたようだ。走る以前に、正しい食生活で体調を整える方が大事だ。「食」とともに、健康を左右するのが「住」環境。ストレスの少ない「暖かい家」というテーマをそのまま名前にしているのが、福島県・会津若松市の会津暖家(だんや)さんだ。墓石販売が主業の株式会社丸正の一部門で、事業をあずかるのが齋藤一栄さん。肩書きは、会津ではよく使われる『家長(いえおさ)』としているそうだ。
約20年もの間、同社で住宅建築に携わる齋藤さんだが、「会津暖家」の屋号を使い始めたのはつい3年ほど前から。寒さの厳しい会津地方で、必要な住宅性能を求めて勉強を重ね、納得できる断熱仕様が固まるとともに、家づくりの方向性も、はっきりと定まったようだ。性能についての確信から、お客様に「自信を持って良いものをお勧めする」 と接し方もかわり、結果受注単価もアップ。以前は、予算都合で採用しきれずにいた当社製品も、今は積極的に使っていただいている。
齋藤さんは蔵の町として知られる会津・喜多方市の出身。蔵に「質が良い」というイメージを重ねる人も多いと言い「蔵に使われる漆喰の雰囲気にも近い」と、フラットな塗装下地壁紙にリボス自然健康塗料の水性塗料での仕上げが増えている。「自然素材の魅力を存分に活かすためには、前提として十分な住宅性能が必要なのでは」。齋藤さんの話を聞き、あらためてそう考えさせられた。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2019年7月 北海道住宅新聞掲載】