とうほく走り描き‖第7回 『たとえばイギリスの馬小屋風』
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コラム
第7回 『たとえばイギリスの馬小屋風』
太田 早智子さん (空間デザイン工房ピースクラフト)
12月は、私がマラソンを始めるきっかけとなった沖縄NAHAマラソンに出場。沿道の応援が切れ目なく続き、数えきれないほどの私設のエイドが並ぶ全国的にも人気の高い、お祭りのような大会で、今回で3回目の参加となる。仙台から総勢12名のラン仲間とにぎやかなツアーとなった。交流のある地元沖縄や東京のランナーたちとも再会し旧交をあたためた。友人の輪が広がるのもマラソンの楽しみのひとつだ。仙台に戻ればまた、営業訪問の日々。営業も毎日続けないと前に進まない。得意先とともに住宅業界というマラソンを走っているとも言えそうだ。
今回は、このコラムはじめての女性をとりあげたい。仙台市内で住宅や店舗のリフォームを中心に活躍する「空間デザイン工房ピースクラフト」の太田早智子さん。設計・デザイン・施工管理まで自ら手がける実践派だ。アパレル関連の仕事を経て、輸入住宅系の会社でデザイナーとしてキャリアを積む。私との出会いはその頃で、独立後もリボス自然健康塗料、天然スイス漆喰スイスウォールなど当社製品を支持し続けていただいている。素材へのこだわりはもちろん、創られる空間は、太田さんにしかデザインできないオリジナルな世界で、クライアントも他の会社にはない「何か」を求めて集まるようだ。
弊社が催しているスイスウォールを使った作品コンテスト「塗り壁のある風景コンテスト」で入賞した作品は、漆喰にワラと天然顔料を混ぜ入れ、「イギリスの馬小屋風」を表現したカフェ。「コトリコーヒー」の名前で知る人ぞ知る人気店だ。そんな太田さんの夢は、空間創りの思いを、存分に形にできる新築住宅をつくること。そのため、モデルハウス建設も構想している。独立以後、新築の仕事はしていないが、前社での豊富な経験もあり、何かきっかけさえあれば素敵な新築ビルダーが誕生する予感がする。マラソンを続けていると、一気に成長する時期というのが人それぞれあるようだ。ある年急に、飛躍的にタイムが伸びたり、長い距離が楽に走れるようになったりする人がいる。
今回いっしょに走った友人の中にも、5月の仙台ハーフでは、私よりはるか後方を走っていたIさんが初5時間切り完走、同じく仙台ハーフで完走すら出来なかったWさんも私より速いタイムでゴールした。仙台にピースクラフトの新築住宅が建っていくことは、太田さんの夢であると同時に、材料メーカーとしてもわくわくする。微力ながらも、きちんと伴走して、いっしょにゴールテープを切りたいと思う。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2015年1月 北海道住宅新聞掲載】