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COLUMN

コラム

~建築業界から環境問題を考える~武本匡弘さんにお話を伺いました。

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    環境問題

今地球に何が起きているのか?
ダイバーで環境活動家の武本匡弘さんにお話を伺いました。

地球温暖化の現実を知って、建築に携わる人間として何ができるかを皆様と一緒に考えるたい!ということで、9/9に行った環境セミナーではたくさんのご意見、ご質問をいただき、参加者の方々の地球環境の現状を知りたいという気持ちと、自身にできる事を考えるご意見が心に残るセミナーになりました。

 

気候正義

42年間日本近海及び世界の海底の景色を観察されている武本さんに変化していく海の様子を教えていただきました。

『最初の20年は生物多様性に富んだ素晴らしい海が世界中で見られましたが、後半の20年間、とんでもないことが起きています。サンゴの白化が始まり、やがてがれき化し、死に至るのです。

6年前に始めた太平洋探査航海で巡った太平洋上の島々の多くはサンゴでできているため、海抜が低く、気候変動による多大な影響がもたらされています。海面の上昇で沈んでゆく国土。ヤシの木は枯れ、深刻化する食糧問題。彼らの生活は二酸化炭素をほとんど排出しませんが、私達の排出する二酸化炭素による温暖化によって命と生活が脅かされています。

こういった問題に対して、世界の若者たちが「気候正義」を掲げ、立ち上がっています。』

海の汚染の現実

私達も極端な気候が日本中に災害をもたらしていることは日頃から感じています。気候変動の原因が温暖化による海水温の上昇であることは既に明らかになっていますから『異常気象と呼んではいけない』と武本さんはおっしゃいます。

 

脱炭素社会の実現が急がれる

レジ袋の有料化で私達にも身近な問題となった海洋プラスチックの問題。

『日本の廃プラスチック処理はリサイクルされていると言っても5割以上焼却によるサーマルリサイクル=熱回収のこと』を言っているそうです。世界に大きな後れを取っています。

建築による二酸化炭素排出は大きな問題ですから、使用される材料の生産から廃棄までの二酸化炭素排出量で比較するという視点を持って選択していきたいものです。

新建材と呼ばれる安価で品質の安定したプラスチックを多用する建材をこれからも使いつづけるのか?が問われています。環境にも人体にもやさしい木材に自然塗料、漆喰の壁などの自然素材の建材への移行が今後加速していくと考えられます。

武本さんが始めたプラスチックフリーの”エコストア パパラギ”は化学物質過敏症の方も利用できる店舗づくりから始まったそうです。化学物質を放散しないよう、新しいものはなく、リサイクル品や手作りの家具が置かれた店舗の内装は全面にDIYで漆喰が塗られています。

 

エコストア パパラギ プラスチックフリーの商品を通販でも購入可能

 

9/9に行ったセミナーで参加者の方々からの質問にお答えいただきました。

環境は大切ですが、ビジネスを成り立たせることが必要では?

『経済を推し進めながら環境に配慮する時代ではなくなっていますから、
環境を基本において「地球に導いてもらう」。この発想の転換が重要です。建築業界から環境に貢献できることの一つに再生エネルギーの活用、自然エネルギーへのエネルギーシフトがあります。海外では地熱、再生エネルギーの利用に日本の技術が使われていますし、少し前まで太陽光発電で最先端の技術を持っていました。日本の企業の高い技術力を環境配慮の方向へ転換していけるのではないでしょうか。英知を出し合えば、変化に応じた経営は可能です。』

  

私達にできることは?

『「知ることが希望」人が集まっていっしょに学ぶことが大切です。』

今回のセミナーもたくさんのご意見、ご質問をいただき有意義な会になりました。
環境のために、ペットボトルを使わない、プラスチックを避けるといった小さなことは当たり前にしたい。誰もいない太平洋の真ん中に浮かぶペットボトル。短い時間の便利さのために、何百年も、何千年も漂うであろう姿を見れば決して使いたいと思わないという武本さんのお話に多くの方が共感されたのではないでしょうか?

そして建築を考えるとき、いつか厄介な廃材となるプラスチック製品の使用を減らし、環境にやさしいエネルギーにシフトしていくことが、持続可能な未来への選択になるでしょう。

 

参加者の方々のご感想


・地球や未来の子どもの為に真剣に取り組まないといけないと改めて感じました。

・とても衝撃的な内容でした。子供たちに本日教えて頂いた内容を話して一緒に考えたいと思います。

・儲けたい、投資されたいが先に来るのか、環境を思い、結果ビジネスになるのかというマインドというのは結果に大きく変わるという気づきを得られました

・環境のために予算を変えないと新築だと面積を削ることになり、それはそれでコンパクトに暮らせて良いと個人的には思うものの受け入れる施主はまだまだ少なく、大きなところでの転換が必要に思います。

・自分だけよかったらいいという家造りから脱却しなければいけないと感じました。

・出来るだけ多くの方に伝え、少しずつでも×人数の規模で取組めたらと思い起されました。

・海の環境悪化の認識は有ったつもりでしたが、現実ははるかに深刻で衝撃でした。「環境活動家養成コース」に関心を持ちました。

・欧米ではもはやCO2が主原因か否かは問題ではなくそれを前提とした具体的なアクションを起こすことがデフォルトになっているのに対し、日本では対岸の火事のような扱いで経済と同様に頭の中身が20-30年ほど世界から置き去りにされているように改めて感じられました。

・建築業界はスクラップ&ビルドの典型的な世界ではあるが、環境に優先される事項は本来あるべきではない。

 

 

【講師】


武本匡弘氏(環境活動家・プロダイバー)

長年プロダイバーとして活動し、海の中を記録する他、2015年より自ら操船する帆船にて太平洋を航海プロジェクトを開始。その航海日数は、計270日、距離はのべ29,000 ㎞に及ぶ。水中及び洋上での気候や海の変化を目の当たりにし、現在は 気候変動・海洋プラスチック汚染問題に取り組んでいる。これまでに幾つもの環境NPO設立に関わる。現在は 「NPO法人気候危機対策ネットワーク代表」「日本サンゴ礁学会会員」「第五福竜丸平和協会会員」「グリーンピース・ジャパンアンバサダー」。エコストアパパラギ設立。https://ecostorepapalagi.com/

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