【レポート】屋久島・新庁舎見学ツアー(後編)
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前編の、屋久島新庁舎訪問(1日目)に続いて、後編では製材所・精油工場訪問(2日目)、ヤクスギランド/大川の滝散策(3日目)についてレポートします。
【2日目・屋久島地杉の活用/製材所訪問】
生産、製造、消費が島内で循環する仕組みづくりを呼びかけ、屋久島の森林環境と経済を繋ぐプロジェクト、屋久島・大屋根の会主宰の浦田功氏による、屋久島地杉を活用した家具や箱三味線などをご紹介いただきました。さらに地杉の成分から抽出する精油工場「やわら香」の見学など建築用材以外の活用も見学しました。
午後からは、島にある3つの製材所を訪問。元々乾燥のしにくい杉に加え、「黒芯持ち」という独特な「屋久島地杉」対し、各社共に積極的に取り組んでいる現状を体感しました。屋久島の地杉の特徴である杉の成分の一種「セトロール」が一般的な杉より約20倍も多く含まれており、鎮静効果などがある芳香が非常にあります。また芯材である黒芯は「固くて、粘っこい」性質があり、建築部材としては柱や梁の構造材や横架材にも適しています。もちろん外壁や外構デッキ材などにも利用ができる非常にグレードの高い建築用材とのこと。
ただひとつネックなのは、離島のため本島以上にかかる運搬費用。それでも各社様々なアイデアを用いながら、費用の圧縮に日々奮闘されているそうです。
【3日目・ヤクスギランド/大川の滝訪問】
せっかくなので屋久島名物の縄文杉を見学する事も考えましたが、縄文杉は標高1000m以上もある高地で、片道5時間、往復10時間もかかるため今回は残念ながら断念!かわりに「ヤクスギランド」や日本の滝百選の一つでもある「大川(オオコ)の滝」を見学となりました。
「ヤクスギランド」は30分~150分コースまであり、一見手軽なハイキングコースと思いきや、途中樹齢1000~2000年級の巨木たちのオンパレード。コースによってはとても急峻な地形もあり、皆で80分コースを歩きましたが終わってみれば皆ヘトヘト…。その後皆さんでお昼をいただいて帰途へとつきました。
屋久島庁舎竣工の目的は、島に植林された地杉の有効利用と利活用。これは森林国家でもある日本全体での課題でもあります。また木や森、林業運営は「百年の計」ともいいます。先祖から授かったこの資源を有効的に活用し、またそれを次世代へと繋ぎ続けていく事が、今この時代に生きている我々の役目ではないでしょうか。私たちも、今回のツアーで体感した貴重な出会いやご縁を大切に、屋久島とは何らかの形で繋がりを継続していき、島の林業活性の一助になれればと考えています。
末筆になりましたが、アルセッド建築研究所の武田さん、屋久島大屋根の会の浦田さん、元奈良大学総長の鎌田先生ご夫妻。そして屋久島町役場の皆様、貴重なお話しありがとうございました。また、ご参加いただきました皆様におかれましては、今回の視察がこの先のヒントや知恵となれれば嬉しく思います。ご参加くださり誠にありがとうございました。
【追記】
いや~しかし…、屋久杉をみれば以下に人間とは小さなものかと感じさせられます。なんてったってスパンが1,000~7,000年ですものね。
都会の方も田舎の方も、疲れた方も疲れていない方も、一度「屋久島リセット」されてみてはいかがでしょうか。
そして、雨ガッパと予備の着替えはお忘れのないように・・・
(※豪雨で帰れない時があります。今回は皆さん日頃の行いが良い人ばっかりで晴天続きの3日間でした。)
今回のツアーは2泊3日でしたが、企画者が「もう一日欲しい!」と言うくらい盛り沢山の充実した内容で、みなさま大変ご満足いただけたようです。ご好評につき、また次の企画も進行中です!
気になられたた方はぜひ次回ご参加お待ちしております!