とうほく走り描き‖第28回 『 自分の手で作り出す心地よさ』
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コラム
第28回 『自分の手で作り出す心地よさ』
たかの ひろみさん(たかのDIYスタジオ)
9月は、田沢湖マラソンに出場。制限時間5時間、関門も22kmが2時間40分、30km が3時間30分と厳しい。スタート直後から山道が続き、後半に周囲約20kmの田沢湖(秋田県)を一周するコース。 日本一深い田沢湖の神秘的な景色を楽しむには、相当な走力が必要だ。22kmの関門こそギリギリで通過したものの、湖を半周も走れず 29km地点でタイムアップ。あえなく収容バスでゴール地点へ送還され上級者との力の差を痛感した。
マラソンと同じく愛好家が増えているDIYの世界で、趣味の枠から飛び出して活動しているのが、たかのひろみさん。各種イベントで講師を務めるほか、昨年からはご自宅の一部を改装して「たかのDIYスタジオ」 として教室も開いている。リボス自然健康塗料を使ったワークショップでも、たびたびお世話になっている。 子供の頃からものづくりに目覚め、だんだん活動も本格化。嫁いだ先の酒屋では、手作りした陳列什器がディスプレイコンテストで表彰されるなど、センスと技術も向上。
従業員に間違えられるほどホームセンターに通いつめ、ついには本当にパートとして働くことになる。さらには、当時その会社では正社員優先で受験していた「DIYアドバイザー」の資格をパートとして初めて取得。 3年もの間、人事部宛に「転勤がなく長く顧客と接することができるパートタイマーこそ取るべき」と手紙を書き続けて実現したそうだ。 「新しいものを作り出すより、修理や補修のほうが好きかもしれない」と話すたかのさん。「古い家も、手をかけることで愛着が増す。DIYを通じて、心地よい暮らしを自分の手で作り出す喜びを伝えていく」のがスタジオ開設の動機のひとつでもある。
住宅業界に期待したいことは、子育てが終わった世代を対象にした「減築」。50 歳代になったら、一度いろんなものを手放してみるといい、本当に大切なものが見えてくるから、と笑う。 私も、来年は 50 歳。手入れを怠らず、も う少し走れる体にしていきたいものだ。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2016年10月 北海道住宅新聞掲載】