BigSeminar2024レポート
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断熱材
2024年5月20日(月)、大阪でイケダコーポレーション主催 BigSeminar2024 “持続可能な未来へ ドイツ「断熱の今」”が開催されました。
年に一度、特別な講師をお招きしてこれまでも開催してきたビッグセミナーですが、新型コロナウイルスの影響もあり2020年のオンラインビッグセミナー以来、対面形式での開催は実に5年ぶりとなった今回。セミナーの在り方も大きく変わり、どれくらいの方が実際に足を運んでくださるだろうかという不安もありましたが、定員の80名を上回る参加人数となりました。遠方からもたくさんお越しいただきありがとうございました。
今回は日本とドイツの断熱のエキスパート3名が登壇。
1人目は日本における外断熱工法のパイオニア、一般社団法人日本断熱住宅技術協会の理事長も務める、お茶の水女子大学名誉教授の田中辰明先生。外断熱工法の歴史や実例の紹介、木繊維断熱材シュタイコをはじめとしたドイツ製 木毛繊維断熱材についてなどお話いただきました。
2人目は岐阜県立森林文化アカデミー教授の辻充孝先生。日本の住宅における心地よさやエネルギー効率は断熱性能だけでなく日射取得との両立を考えなければいけないこと。熱伝導率と材料の厚みで判断する熱貫流率U値には反映されない、断熱材の熱容量による室内温度変化の違いについては鍋を例に分かりやすく解説。またドイツ・フラウンホーファー建築物理研究所開発の断熱解析ソフトWUFIを使用し、ウッドファイバー・セルロースファイバー・グラスウールで外気温が室内や建物に与える影響にどのような違いがあるのかを可視化しながらご説明いただきました。
3人目はこの日のためにドイツから来日いただいたエコロジー建築家のヴォルフガング・レーナート博士。EUの最新の断熱基準や事例を紹介。現在ドイツでは断熱を通してどのような脱炭素への取り組みがされているか、そうなるにはドイツで過去どのような問題が起き、現在に至る建物エネルギー法の制定などがされてきたのか、そしてこれから取り組むべき課題などを逐次通訳でお話いただきました。
参加者の皆さまも、三者三様の視点から語られる断熱情報に興味深く聞き入っておられました。セミナー後アンケートでも「このセミナーで得られた新たな気づきを早速活かしたい」「常に変化を続けるドイツの最新事情が聞けてよかった」などのお声をたくさんいただきました。
もちろんそれは弊社社員も同様で、木繊維断熱材をこれからますます日本の住宅断熱に拡充し「健康な住まいづくり」のためにどのように皆さまのお役に立てるか、知識をアップデートするとともに改めてその重要性とイケダコーポレーションとしての使命を再認識することのできた大切な一日となりました。
講演会後の懇親会にも多くの方にご参加いただき、先生方にさまざまなご質問をされたり交流を深めておられました。参加者さま同士でも新たな繋がりをつくられたりと、こうしたことができるのがオンラインではなくリアルセミナーの醍醐味であると、無事に開催できたことをあらためて嬉しく思います。
今回のセミナー開催に協賛いただきました
登壇いただいた田中名誉教授、辻教授、レーナート博士。
そしてご参加いただいた皆さま、あらためてこの度は誠にありがとうございました。
「ひとと環境にやさしい住まいづくり」を日本中に広めるため、セミナーはじめさまざまな取り組みを行なってまいりますので、今後もイケダコーポレーションを何卒よろしくお願いいたします。
余談ではありますが、心残りは「快適なすまい」の話をしているのに会場の空調が暑かったり寒かったり「快適」とはいえなかったことでしょうか・・・。
「既存ビルでは仕方がない」で終わらせるのではなく、こうしたことにも今後より向き合っていける社会にするため、ますます奮起したいと思います。
(会場をお貸しいただき、様々なサポートもありがとうございました。)