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【レポート】エコバウ建築ツアー2019(Day.1−Day.2)

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第23回 スイス・南ドイツ
エコバウ建築ツアー2019 レポート

– 持続可能な省エネ・木造建築と自然と調和する建築デザインの旅 –

スイスの山々

昨年、催行しました「エコバウ建築ツアー2019」のレポートを3回に分けてお届けいたします!

 

  レポーター:イケダコーポレーション東京営業所 安田辰徳

安田さんプロフ画像 

23回目の「スイス・南ドイツエコバウ建築ツアー2019」に同行させていただきました。

北は北海道から南は和歌山のエリアから、年代も20代から70代までの幅広い参加者の皆様方と一緒に学んだ

9日間のエコバウツアーのレポートを報告いたします!

出発

成田空港と関西空港からの2班に分かれそれぞれ搭乗。経由地のオランダスキポール空港で合流し、その後いざチューリッヒへ。経由地オランダまでのフライト時間は12時間近くなので最新映画を4本観た!という方も笑。今回は成田組の座席は通路側が多く快適な空の旅でした。

エコバウツアー1日目写真

Day.1 シャフハウゼン市〜シンゲン市〜チューリッヒ市内

ツアーコーディネーター滝川薫さん合流。(今年で3回目!)
さあ、エコバウツアー始まりました!

滝川薫さんプロフ写真

 

プラスエネルギー化の視察

 

まずは、歴史的建造物の省エネ改修によるプラスエネルギー化の視察。
案内いただくのは、設計士のペーターサンドリーさん。

シャフハウゼン市近郊にあるフンケ様邸の総工費は約100万CHF、日本円で1億1千万円です。高いと思われますが、スイスの国を知り、住宅事情などを理解すると金額に驚かなくなります。実はこのツアー参加のポイントとして、事前情報など含めて知識を入れて参加するといわゆる消化不良になりにくいです!

スイスの人口は増加傾向で、新築需要は高いが土地がないため改修案件が増えていく見込みとのこと。戸建を建てることができるのは、ほとんど上流層のみだそうです。

ストーブ画像

📷日本円で数千万円する薪ストーブはリビングのど真ん中で存在感◎

📷参加者の視点などもとても面白い。ここではレンジフードがないことの気づきを得る。

📷個人的には塗り壁の色ムラ感が印象的に空間の演出が際立っていた。

 

ソーラーコンプレックス社セミナー受講

 

その後、南ドイツのシンゲン市に移動して、ソーラーコンプレックス社にてセミナーを受講しました。今回のツアーで特に喜ばれたコンテンツのひとつ。お話いただいたのは、創始者であり取締役のベネ・ミュラーさんと広報担当のユッタ・ガウクラーさんのお二方。

今回のテーマは、“エネルギー自立による地域の経済的付加価値創出”

 

詳細はここでは割愛しますが、参加された皆様からは、このセミナーがきっかけで住宅に対する考え方が変わったなど、多くの感想をいただく印象深いセミナーになりました。私も日本で2019年2月に千葉商科大学で同じセミナーを聴講していたので、より理解を深めることができました。

その後、ソーラーコンプレックス社オフィスのパッシブ改修工事の概要などお伺いした後に実際の建物内部の見学をしました。

突然、

「この写真はなんでしょう?・・・“石油タンカー”です。」

「日本は、石油を年間約777隻分輸入しております。日本における1年間の原油輸入額は
約14兆円です。このお金はすべてドバイなど含む石油生産国に流れているのです。
このことについて皆さんはどう思いますか?」

 

とベネ・ミュラーさんに問いかけられました。日本のエネルギー資源に関してはもっともっと有効活用する術があるし、化石燃料に頼る社会を変えていかなくてはいけないと実感しました。参加者全員が深く考えさせられるセミナーでした。

 

チューリッヒ市内のモアザンリビング視察 – 2000W社会対応型の持続可能な集合住宅

モアザンリビング社1

案内いただくのは、住民広報であり住まい手でもあるベルナー・ブリュ―ヴィーラ―さん。

モアザンリビング社2 モアザンリビング社4

チューリッヒでは、約20%の住宅が協同組合による供給がほとんどで、こちらはコンペで勝った2人の若い女性と、まだ経験の浅い設計事務所チームによる都市計画。テーマは多様性で、木造とRCの建物、若者、高齢者、貧富の差や、国籍や年齢の多様化など1200人の住人の内、国籍は60カ国の多国籍な暮らし方が融合している集合住宅です。「2000W(ワット)社会」※ 住民へ推奨しているが、決めるのは住民。地域の排熱を利用して暖房に活用したり、機械換気設備についてもローテクを採用したり、ミネルギー基準に準じた機械よりも、ローテクの方が効率が良い。もっと緑の多いエリアにしたくてグリーンを増やしている最中とのこと。

モアザンリビング社3入居者の収入に応じて家賃を決めたり、全て個人所有で運営したり、社会主義的に一斉に集金して運営するなど、クラスターごとの運営方法が実施されている。ほとんどが若い人たちで、子どもが産まれると同じ敷地内の広い住宅に引っ越すことも。シングルマザー、ファーザー用のクラスターも企画したが実現はしなかったらしい。子どもが巣立てば小さな面積の住居に移ってもらうなど、非効率な活用にならないよう間取りの制限も設けているそうです。。たくさんの共有空間が1階に設けられていて、5人が集まれば委員会に提案ができ、これまでも映画館や工作場や子どもの遊び場など40の空間が作られています。その40のグループがこの村の暮らしを支えているとのことで食べ物や工具などもシェアできる理想の住まいになっていました。

 

1日目は、エネルギーの有効利用について、改めて深く考えることができました。2日目に備えてほどほどにチューリッヒの夜を楽しみました🍷

 

※「2000W(ワット)社会」とは(リンク:滝川薫さんHP)

📷 1日目の昼食休憩は壁画の町シュタイン・アムライン

Day.2 チューリッヒ市内〜アイケン村

2日目の午前中は、みっちり座学研修。チューリッヒ市内でスイスバウビオロギー協会でのセミナーを受講しました。スイスバウビオロギー協会 会長 ヨルグワッター氏の挨拶から始まり、4つの講義を拝聴しました。

バウビオロギー協会セミナー

✒︎「スイスにおけるバウビオロギー」
スイスバウビオロギー協会事務局長バルバラ・イェーレ氏

✒︎「木造中高層建築」
スイス最先端の木造構造会社Timbatec社シモン・ヘス氏

✒︎「連邦専門資格バウビオローゲの教育」
スイスバウビオロギー協会職員シュテファニー・ヘルツォーグ氏

✒︎「BIMとバウビオロギー」
Konzept S社パスカル・シャイデッガー氏

バウビオロギー協会セミナー2 バウビオロギー協会セミナー1

とても充実した内容で、バウビオロギーの広めかたのヒントをたくさんいただきました!

その後、チューリッヒ中心部で昼食タイムです。しっかり勉強した後は、ランチと市内を散策しながらお土産を買ったり観光したりする自由時間もちゃんとあります。今回は本屋さんに行く人が多かったですね♪

チューリッヒ市内2 チューリッヒ市内1

私はフラウミュンスター(聖母聖堂)に行き、美しいステンドグラス見て満喫しました。写真はNGなので心に描写しました笑

 

ヘーリング社視察

 

午後からは、スイスのアイケン村を訪れました。
木造会社のヘーリング社を見学、最新機械の導入されたプレハブ・パネル工法の工場の視察に行きました。

 

案内いただいたのは、輸出担当セルジョ・ルーカスさんとデイビッド・ヘアリングさん。

 

140年前に創業したファミリー企業でスイスの拠点以外に中国にも工場があります。1つ1つ梁の長さが違うものを組み合わせてデザインでき、ロンドンやベルンの駅、ダボスのアイスホッケー場などに採用されている他、アジアでの仏閣建築にも採用されているとのこと。以前ブータンの王立アカデミーの建設の材料要請がスイスにあった際に、森林資源が豊富なブータン国内で材料を加工できるように技術提供を行うなど国際的に活躍されている企業です。

 

1980年代に木造のドーム建築を開発し、2004年に建てた塩のドームで愛知万博の賞を受賞した経歴があり、人員を8人しか必要とせず、工期も6週間で終わらせるという驚異の事例も知ることができました!ロジスティックの課題も重要とのことで、45mの部材を作れても運搬するのは困難であり、どのパネルがどの順番で施工されるのかを考えて、時短に結びつけることを意識されるそうです。数日間天気が良い日を選んで施工する、雨の日には施工しない、などの判断も大事だそう。

 

これからは木造ブームであるスイス国内での材料供給、国外への木造技術提供を続け未来の一部の仕事を作り出していきたいという展望など貴重なお話しを聴くことができました。

ヘーリング社マクドナルド

📷スイスで一番高い木造ハイブリッド建築は15階建て高さ60m!スイスのマクドナルドは120店舗実績、工期3か月で営業スタートできるスピードがメリット

 

初日・2日目と、密度も内容もとても濃い時間を過ごしましたが、3日目からもさらに濃くなります!

 

2-3日目はコチラ→『エコバウ建築ツアーレポート(Day.3−Day.4)

5-6日目はコチラ→『エコバウ建築ツアーレポート(Day.5−Day.6)

 

 

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