とうほく走り描き‖第13回 『新社屋で暮らしと食の新提案』
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コラム
第13回 『新社屋で暮らしと食の新提案』
畠山 康裕さん (D・LIFE)
6月14日、昨年に続き二度目の100km挑戦、いわて銀河チャレンジマラソンに出場した。前半は攻めの走り で、完走した前回より1 5分早く49.6k mの関門を通過。しかし、60km過ぎから足が前に進まず、66.5kmで無念の途中棄権。苦しい後半を走り抜くには、何かが足りなかったようだ。このレースは、通算5回完走すると、「ギャラクシーマスターズクラブ」として登録され、好きな3ケタのナンバーのマイゼッケンがもらえる。一般参加者の白いゼッケンの中で、ひときわ目立つマスターズの黄色いゼッケンは、完走を目指す私たちのよい目標となる。ペースを乱さず黙々と走っていく姿には、何度も100kmを完走した風格を感じる。
同じ岩手で、マスターズランナーのように安定して、良質な住宅を提供し続けているのが、盛岡市の株式会社D-LIFEさんだ。社長の畠山康裕さんが輸入住宅系のフランチャイズの仕事をされていた10年以上前からおつきあいいただいている。独立後は、確かな住宅性能と高いデザイン性で安定した受注を得ており、盛岡有数の人気ビルダーとなっている。非常に勉強熱心で、住宅関係のセミナーや見学会には、スタッフを積極的に参加させている。今年は、総勢10人で世界最大級の家具見本市イタリア・ミラノサローネを見学、世界の先端を体感してこられた。そうして学び続けることで、ビルダーとしての脚力を維持しているのだろう。
この春オープンした新社屋の2階に、本格フレンチのレストラン「DADA」がある。マラソンレースの前の週に、その店のプレオープンに招かれ、コース料理をいただきながら、畠山さんとお話することができた。実は、この「DADA」もD・LIFEの経営。てっきりテナントだと思っていた私は、たいへん驚いた。「住宅に取り入れたいが、なかなか実際に見てもらうことのできない大空間を体感できる場所があれば」、という思いが以前からあり、それが事務所の移転をきっかけに、フレンチレストランという形で実現することになった。これまで飲食業とは縁のなかった畠山さんだが、いざ「やってみよう」と決めた途端に、新たな協力者やスタッフ候補との出会いがあり、一気にオープンにこぎ着けたとのこと。照明・家具・調度・食器にいたるまでトータルでコーディネートされた空間は、これまでの集大成と言えそうだ。
自分は来年もまた100km完走にチャレンジしたいと思っている。黄色いゼッケン獲得まで、順調にいってもあと4回、52歳までかかる計算だ。地場ビルダーは、途中棄権が許されない、長く走る力が求められる厳しいビジネスだと思う。リボス・スイスウォールでサポートするわたしもまた「継続は力」を肝に命じたい。畠山さんは46歳。レストラ ン「DADA」が、良い意味で二足目のわらじとなり、さらなる推進力となることを期待したい。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2015年7月 北海道住宅新聞掲載】