とうほく走り描き‖第17回 『住宅が風景と街並みを作る』
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コラム
第17回 『住宅が風景と街並みを作る』
鈴木 祥子さん(スプラウト)
10月18日能登半島すずウルトラマラソンに初挑戦。能登半島先端の観光名所を巡る、102 kmのコース。69kmで途中棄権の結果だったが、早朝5時のスタートから午後3時近くまで力を振り絞り、海あり山ありの奥能登の秋を全身で味わう一日となった。自然豊かな地方大会は空気も格別で、マラソンの魅力のひとつだ。
快適な住空間を考えるとき、屋外も重要な要素ではないだろうか。玄関までのアプローチ、庭やガレージ、ベランダやウッドデッキ、縁側や風除室など半屋外も加えると無視できないボリュームだ。株式会社スプラウトの鈴木店長は、住宅会社勤務や個人でのエクステリア事務所などを経て入社、福島県郡山市内のショッピングセンターの中にある店舗を任されて6年目になる。エクステリア関連商品の販売をしながら、住宅の外構工事をデザインから手がける。住宅会社からの依頼、いわゆる下請けは一切無く、すべてエンドユーザーと直結した仕事をしている。エクステリアへの関心は人それぞれだが、長年の経験から、続けてお手入れをしてくれそうなお客様と、苦手そうなお客様がなんとなくわかるという。なのでメンテナンスしやすさなども考慮しながらプランを考えていくという。
興味が持続しそうなお客様には、天然木のデッキなどと合わせてリボス自然健康塗料の木材保護塗料もおすすめいただいている。お客様との打ち合わせでは、想いを「奮い立たせて」持続してもらうことを意識する。手描きのプレゼンパースで盛り上がった気持ちを、お引き渡し時には「さらにテンションがあがるように」と工事のクオリティを高めていく。鈴木店長の想いが伝わるのか、追加工事の注文も増加。さらには住宅そのもののリフォームの相談も出て来ており、懇意の工務店と連携して、エクステリアが窓口の住宅リフォームという新たなビジネス展開を構想中だ。住空間という意味では、エンドユーザーには屋内・屋外の垣根がないのかもしれない。
すずウルトラマラソンのコースでは、豊かな能登の自然とともに、風景の一部として点在する民家のたたずまいが印象に残る。住宅の仕事は、その一件一件が、町の風景を創り、また 変えていく。そんなことも、心のどこかに置きながら、気持ちを奮い立たせていきたい。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2015年11月 北海道住宅新聞掲載】