とうほく走り描き‖第69回 『仲間と共同で住宅展示場』
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コラム
第69回『仲間と共同で住宅展示場』
佐藤 時彦さん(県木住 けんもくじゅう)
今年、青森の地場工務店6社による、共同の住宅展示場事業「AHBA- BASE(アーバベース)」がスタートする。同事業に参画する、企業組合県木住・代表理事の佐藤時彦さんにお声がけいただき、2月下旬の事業説明会に参加した。
青森県産材の住宅利用をテーマに創業から20年。その立ち上げには 当時県内有数の住宅会社も関わっていた。佐藤さんはその会社からの出向として勤務を始めたが、その後同社は倒産。言わばハシゴを外され手探りの 状況から、毎年10棟前後の新築受注を粘り強く続けている。無垢床の塗装では、リボス自然健康塗料を1棟目からご採用いただいており、累計で160棟以上に納入させていただいた。
約半年前に住宅展示場への参加を決めた佐藤さん。先日の事業説明会までに、参加6社で40回を超える打ち合わせを重ねてきた。今後も今秋の展示場オープンに向けて、設計の共通ルールの作成、宣伝告知、展示場のスタッフや施設の準備など膨大な仕事が待ち受けている。
新型コロナウイルスの影響で、一般ランナーの参加がなくなった東京マラソンでは、大迫傑選手が見事に日本新記録を出した。ここまで記録が伸びた背景には、箱根駅伝の頃から刺激し合ってきた、設楽悠太選手や服部勇馬選手などライバルの存在も大きかったのではないだろうか。メンバー4人という規模の県木住が、このチャレンジに踏みきったのも、いっしょに取り組む5社の工務店があったからだと思う。「背水の陣」と話す佐藤さんだが「もっと知ってくれれば、もっと需要があるのでは」と、これまで着実に培ってきた「青森の無垢材を活かす家づくり」に静かな自信をのぞかせる。
6社の工務店が切磋琢磨しながら進む「AHBA-BASE」のこれからに注目していきたい。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2020年3月 北海道住宅新聞掲載】