とうほく走り描き‖第8回 『異業種から住宅業界へ』
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コラム
第8回 『異業種から住宅業界へ』
菊池 史郎さん (建築工房零)
正月10日、走り初めは地元のラン仲間と仙台七福神を巡る20kmラン。好天に恵まれ爽快な1日だった。マラソンをはじめた2011年から恒例で(都合で一度不参加)四回目のお参りとなる。思えば、初参加の年は、ほとんど歩くつもりでジーンズにタウンシューズ。2回目は、完走したものの終盤には足がもつれて転倒。100kmマラソン初挑戦を決めていた昨年は、手応えが感じられる快走。体もメンテナンスすれば、状態が良くなることをまさに「体感」してきた。
「建築工房零(ゼロ)」さんは、私が仙台七福神の存在も知らなかった頃からの古いお客様だ。リボス自然健康塗料をご採用いただいた当初は、新築・リフォーム合わせて、年間数件という小さな工務店だったが、今では40名近い社員が元気に働く仙台でも注目のビルダーだ。菊地史朗さんは、小野幸助社長と二人三脚で草創期から建築工房零を支える、総務・広報の中心スタッフだ。ある日、ふと手にしたポスティングチラシが縁で、現場解体のアルバイト、年賀状の制作など建築工房零と関わっていく。そのまま流れに引き込まれるように入社、いつしか会社の体制づくりにも携わる立場となり今日に至る。出身は山形県、前職は広告関係で、住宅建築に縁のなかった菊地さんが、仙台の住宅業界に深くコミットしているのだから人生はわからない。
建築工房零は、住宅建築を主業としながら、カフェ、エコショップを併設。ペレットストーブ・まきストーブの販売も手がけ、ペレットもショップで供給している。「電気を使わないクリスマスパーティ」など、工務店らしからぬイベントも話題を集めている。それらも含めて零の事業なのだと。菊地さんは昨年、郊外に中古住宅を購入。自然豊かな環境の中、家もリボス自然健康塗料、天然スイス漆喰カルクウォールなどで自ら手直しをして住まわれている。「手がかかるのが楽しい」とまきストーブも愛用中。
「メンテナンス出来ることが価値」と考え、「住む家は生き方そのもの」とも話す。宝船に乗った七福神は海の彼方から宝船に乗って到来し人々に幸運をもたらすとされ、全国の寺 社に奉られた七福神のお参りが正月の風物詩となっている。ところが、毘沙門天・弁財天はヒンドゥー教由来、道教の仙人とされる福禄寿、ユーモラスな布袋は唐の僧として実在したと言われる。 国籍も時代もバラバラで日本古来の神様は恵比寿のみだ。 菊地さんと同じく、私も他県他業界からの転入派。七福神になぞらえるのもおこがましいが、あらためて仙台で何が出来るか考えてみたいと思った。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2015年2月 北海道住宅新聞掲載】