とうほく走り描き‖第40回 『行動力でエコロジー深める』
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コラム
第40回 『行動力でエコロジー深める』
西條 晴彦さん(有限会社ビオプラス西條デザイン)
マラソンからバイク(自転車)やスイム(水泳)へと活動を広げトライアスロンへ進む人がいる。マニアックなスポーツという印象も薄れ、競技人口も増えているようだが、自転車に乗ることも泳ぐこともほとんどない私には、しばらく縁がなさそうだ。
有限会社ビオプラス西條デザインの伊達支店長・西條晴彦さんは、トライアスロンさながらに、人生の中で次々と新たな種目に挑んでいる。高校の頃から熱中したウィンドサーフィンでは、プロを目指して卒業後すぐにメッカである静岡へ乗り込んだ。「住むところも決めず、しばらくは車で寝るつもり」で、免許取りたてで自ら車を運転して向かったという思い切りの良さだった。
その後、札幌でインテリアデザイナーとして独立していた兄、西條正幸さんの誘いでU ターン。現場の下働きとして、職人たちに揉まれながら晴彦さんの建築経験がスタートした。当時の社名は「西條インテリアデザイン」。店舗の内装が主業務だったが、正幸さんの家族のアトピー発症がきっかけで、より健康を考えた建築を志向するようになり、徹底して自然素材を使った家づくりをする会社へと一気に様変わりしていった。リボス社製品との出会いもその頃だ。1993 年には、伊達支店を開設。晴彦さんが支店長となる。弊社が企画するエコバウ建築ツアーにも兄弟で参加、エコロジカルな建築の研究と実践に邁進していく。事業内容と合わなくなった社名は2008 年に、現在の「ビオプラス西條デザイン」に変更された。
支店経営は決して楽ではない様子だが、私と面談する晴彦さんの表情はニコニコ明るい。施主の要望と利益との両立、OB 施主のケアなど次々と打ち寄せてくる課題にも「風」や「波」を味方にするウィンドサーフィンのような感覚でアドレナリンを出しながら取り組んでいるのかもしれない。
〈筆者プロフィール〉
中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。
【2017年10月 北海道住宅新聞掲載】