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とうほく走り描き‖第11回 『塗装体験がファンを増やす』

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とうほく走り描き11回イラスト

第11回 『塗装体験がファンを増やす』

三浦 基樹さん (MDES 株式会社

 

4月、山形県鶴岡市の「温海さくらマラソン」 ジャイアントコースに出場した。その名にふさわしく、二つの険しい峠のある30kmの難コース、スタート直後に100m以上の標高差を一気に駆け上がる長さ2kmの上りが名物で、その坂をうまく乗り切るのがレースのポイントだ。今回は、私たち仙台のランナーと交流の深い、沖縄のチームが総勢 38名で参加。おそらく大会史上最多の沖縄のランナーを歓迎するような満開の桜が、30年目の記念大会を盛り上げた。

 

30年といえば、日本の住宅寿命がそれくらいとされる。住宅性能や耐久性の問題もあろうが、デザインや仕上げ材に愛着が得にくく「なんとか手入れをしてでも残したい」と思えないから建て替えるという側面がないだろうか。お施主様が愛着を持って長く住み続けられる住宅を増やしたい、という思いもあり、最近は意識してメンテナンスの話題を営業に取り入れるようにしている。

 

さくらマラソンの2週間前にも、エンドユーザー向けに無垢の床の塗装体験とメンテナンス講習を、塗装工事・左官工事の両方でお付き合いのある、MDES株式会社の三浦社長に協力いただき開催した。「塗装が簡単だってわかっちゃうと、俺たちの仕事が減っちゃうんですよ」とジョークをまじえた説明が絶妙で、無垢の床を採用予定の方や、今後検討されている方、さらに主催のビルダースタッフにメンテナンスのイメージをつかんでもらえ大好評だった。

 

無垢の床のお手入れは、決して難しいものではない。基本とちょっとしたコツを知る、言わば「最初の坂」さえ越えれば、あとは楽に続けられると思う。塗装技術が評価され、海外からの工事のオファーもある多忙な三浦さんだが、エンドユーザー向けイベントはいつも快く引き受けていただいている。カルクウォールの塗り壁体験も、 もう 10 回以上手伝ってもらっただろうか。よく二人でこんな話をする。「塗装や左官の良いところや、実際の手間を体感するユーザーが、 ひとり二人と増えていけば、やがて塗装工事、 左官工事も増えるはず」と。一回の参加者が、 10 名に満たないことも多い手づくりイベントだが、コツコツと積み上げていきたい。

 

温海さくらマラソンも、地元有志の実行委員 会が地域密着の小さな大会を立ち上げて30年。今では県外からも多数のランナーが集まる人 気レースとなった。わたしたちの小さなイベントも、やがて寿命の長い住宅づくりにつながっていけば幸せである。

 

 


〈筆者プロフィール〉

中島信哉:株式会社イケダコーポレーションの営業として、
現在は東北6県と北海道を担当。仕事のかたわら始めた
サインペン画やマラソンが話題に。

中島さんプロフィール画像


 

【2015年5月 北海道住宅新聞掲載】

 

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